憲法違反の工事を止めて 東京外環訴訟で口頭弁論〈12月6日号より〉
- 2020/12/1
- 外環道
東京外かく環状道路(東京外環道)の本線工事差し止め訴訟の第9回口頭弁論が11月24日、東京地裁で行われました。東京外環道は住宅密集地の大深度地下にトンネルを掘り、東名高速道路と関越自動車道を結ぶ道路計画。これまで地上への影響と事業費の高騰などを理由に沿線住民が差し止め運動を行い、訴訟に発展しました。10月の調布市での市道陥没事故と地下空洞発見が続き、改めて注目を集めており傍聴は抽選となりました。
弁論後、報告集会が衆院議員会館で行われ、日本共産党の宮本徹衆院議員と山添拓参院議員が参加しました。
2回目の空洞が自宅のほぼ前で発見されたジャーナリストの丸山重威氏が発言。「もうすでにミキサー車が入り充填じゅうてんを開始しています」と報告し、「NEXCO東日本(高速道路株式会社)は『避難されるんでしたら準備をします』と夜に言ってきた。工事との因果関係は不明と言っていますが、つい1カ月前に完成した近隣住宅は地下40㍍のボーリング調査をして異常が見つかっていない」と告発しました。

また原告として法廷で訴えた國井さわ美さんは「国交省やNEXCOは工事を続けると思います。そして住宅のひび割れなどは経年劣化として、ほぼ補償しないでしょう。でも、(危険が明らかになった)今、沿線住民の声がたくさん集まって、まとまれば無視できないと思います」と力をこめました。
弁護団から遠藤憲一弁護士が発言。「住民の足元でシビアな現象が起きている。野川の気泡も収束しない。国は環境調査はばっちりというが矛盾している」と強調しました。
さらに裁判の焦点について、①大深度法が地上に影響なしとしつつ、重大な損害を与える財産権の侵害で憲法違反②人口が減少する中、事業評価を見直せば利益がなくなるために公共・公益性を失う―と指摘。2年前からの気泡発生以降、次々と異常が問題になっているのに、国の代理人は居直るような弁論しかできないと批判。権利侵害を浮き彫りにしました
宮本議員は「事業の根底がくつがえる事態。陥没など人命が奪われかねない。力を合わせてストップさせよう」と参加者を激励。山添議員、立憲民主党の大河原まさ子衆院議員もあいさつをしました。
(東京民報2020年12月6日号より)