コロナ感染 急拡大「命守る対応早く」 無策の菅政権を追及〈12月6日号より〉

 新型コロナウイルス感染が急拡大するなか、緊急のコロナ対策を打ち出さず、無為無策を続ける菅政権に「政権による人災と言われても仕方がない」と厳しい批判が広がっています。さらに、安倍晋三前首相の「桜」疑惑も新たな展開を見せ、政治情勢は緊迫しています。11月25日の衆・参各予算委員会では、東京を活動拠点とする日本共産党の宮本徹衆院議員(比例選出、20区重複予定候補)、田村智子参院議員が政府を厳しく追及しました。

東京選出の国会議員が奮闘

 宮本議員は、コロナ対策について、野党が提案してきた観光支援事業「Go To トラベル」事業を見直さず、今日のような大きな感染拡大に至った問題を追及しました。

 宮本議員は、日本医師会の中川俊男会長の「感染拡大は『GoTo』事業がきっかけ」とする発言をあげ、「『GoTo』事業を見直さず感染を広げた反省はあるか」とただしました。

 菅義偉首相は「『Go To トラベル』が感染拡大の主要な原因とのエビデンス(証拠)は存在しない」と、正確に把握できていない調査体制のもとで判明した、ごく限られた感染者数を示して強弁。

 宮本議員は厚労省のアドバイザリーボードでの「『GoTo』に東京が加わった10月以降、感染が広がる県が増えた」との資料を示し、「エビデンスが出て見直すと手遅れになる」と指摘。中途半端なやり方では感染拡大は一層加速すると批判し、同事業の見直しを強く求めました。

 さらに「観光業のみなさんの一番のかき入れ時は年末年始だ。経済のことを考えても、今が大事だ」と追及。しかし政府は「『Go To トラベル』自体が感染者を拡大させているということはない」(西村康稔経済再生担当相)との答弁を繰り返すだけでした。

予備費をただちに

 田村議員は、新型コロナ第3波で医療も経営も暮らしも切迫した状況なのに、新たな対策を何一つ打ち出さない菅政権を批判。「年明けの3次補正では間に合わない。(使わずに残している)7兆円の予備費の使い道をただちに具体化すると約束を」と迫りました。

 しかし菅首相は「緊急に予算の手当が必要になった場合はちゅうちょなく活用する」と、緊張感を欠いた答弁。田村議員は「今がその場合だ。命がかかっている」と、重ねて7兆円の予備費活用を強く求めました。

「桜」疑惑 首相の責任で解明を

 宮本議員は、安倍前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭で、安倍氏側が多額の費用を補てんしたことについて、「事実なら公選法と政治資金規正法の違反だ」と指摘。「官房長官として前首相を擁護してきた責任は重い。首相の責任で真相解明をする必要がある」と迫りました。

 菅首相は「捜査機関の活動内容にかかわるので答えは控える」と答弁を拒否しました。

 田村議員は、安倍前首相は前夜祭について「安倍事務所に収支は一切ない」との答弁を繰り返してきたと指摘。「安倍前首相の答弁はうそだったと認めるか」と質問。菅首相は「捜査が行われていると報じられており、私が答えるべきじゃない」などと、答弁拒否を繰り返しました。

 田村議員は菅首相も当時の官房長官として、「明細書はない」との前首相のうそをそのまま答弁してきたと強調。「何の疑念もなくオウム返しにしたのか」と追及しました。

 菅首相は「総理に確認しながら答弁した」と答えただけでした。田村議員は「菅政権のもとで新しい事態が起きている。局面は変わった。真相究明を菅政権として行うべきだ」と迫りました。

 宮本、田村両議員は、安倍前首相の証人喚問を求めました。

日本共産党 「GoTo」見直し提案

 政府は「Go To トラベル」事業継続への批判を受け11月24日、札幌、大阪両市を目的地とする新規旅行の販売は一時中止、同市から出発する旅行の自粛を要請しました。しかし11月30日現在、東京を含め、その他の感染拡大地域については、見直しの対象になっていません。日本共産党は以下のような同事業の見直し提案を行っています。

・全国一律はやめる

・地域ごとの事業にして国が応援する

・小規模事業者に支援が届くよう改善する

・持続化給付金第2弾など直接支援を組み合わせる

・消費税5%への減税と経営苦の中小企業の納税免除などで、観光・宿泊業、中小企業、地場産業を支えていく

(東京民報2020年12月6日号より)

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