菅政権が75歳以上の医療費窓口負担2割化の方針を年内にも固めようと動くなか、厚労省前で2日から3日間、高齢者が政府に怒りの声を上げる座り込みが行われました。主催は日本高齢期運動連絡会です。
初日は冷たい小雨が降る寒空の下、主催者の菅谷正見代表委員による「すべての世代が人間らしく生きられる社会に転換しよう」とのあいさつからスタート。参加者が順にマイクを握り、社会保障改悪への憤りなどを吐き出しました。
94年から座り込み行動に参加を続ける男性(91)は、「弱いものをいじめる政治をやめてほしい」と訴え。東京民医連労働組合健生会支部の三井淳一朗書記次長は、「年金は下がり続け、医療費負担が増える。社会保障の財源確保が目的の消費税増税だったのでは」と疑問を投げかけました。
日本共産党の小池晃書記局長、笠井亮衆院議員、伊藤岳、たけだ良介、山添拓・各参院議員も参加し、激励と連帯のあいさつ。小池氏は『厚生労働白書』を参考にあげ、「高齢化の進展度合いから見ると、日本の社会保障給付の水準は相対的に低い」と説明。「高齢者が増えると医療費が膨れ上がり、財政が圧迫されるというのは嘘」と語りました。
笠井氏は「コロナ禍こそ憲法25条の生存権を保障する政治が求められるのに、医療費負担の倍増は許されない」と強調。山添氏は「高齢者が座り込まなければいけない状況を、1日も早く終わらせたい」と述べました。
菅谷氏による「団結頑張ろう」の掛け声を合図に、参加者全員が力強く拳を突き上げる場面も。座り込みへの強い決意を示しました。
(東京民報2020年12月13日号より)