コラム 山添拓 未来を拓く GoTo一時停止、ようやくか〈12月20日号より〉
- 2020/12/21
- 国会議員コラム
菅政権になって初めて、12月11日に予備費が新たに執行され、衆参予算委員会の理事懇談会で説明がありました。3856億円のうち3119億円がGoTo。このタイミングでそれはないと野党側が口々に指摘しましたが、財務省は意に介さず。

医療機関への支援よりGoToが優先なのかと問えば、「そのとおり」と主計局長。いわく、「十分支援している。融資を受けて手元に資金もあるようだ」―これはあまりにひどい。医療機関向けの交付金は、3兆円の予算に対して申請が1兆円、執行済みは6000億円。使いにくく、現場に届いていません。融資は返す見通しが厳しい借金で、経営を考えると眠れなくなるという医師のお話もうかがいました。政府の認識は、現場の実態とかけ離れています。

週が明けた14日、GoToトラベル全国一斉一時停止の発表へ。ようやくか。しかも一時停止は28日からといいます。2週間の空白は一体なんなのか。「エビデンスはない」と批判をしりぞけ、「勝負の3週間」にほとんど手を打たず感染拡大を野放しにしてきた責任は重大です。この間、政府が本来検討すべきだったのは、医療崩壊をいかに防ぎ、今度こそ自粛とセットの補償をいかに行うかという点ではなかったか。
コロナ対策で無為無策どころか逆行し、迷走する菅政権。このままでは人災として被害が広がりかねない。命とくらしを守る、意思も能力もないなら、退場いただくしかありません。(弁護士、参院議員・東京選挙区選出)
(東京民報2020年12月20日号より)