京王新労組がスト集会 続く死亡事故、労働改善を〈2021年3月28日号〉
- 2021/3/28
- 労働・市民

コロナ禍で深刻な雇用不安が広がる中、ゆりかもめの駅業務での偽装請負をはじめ、グループ全社内で横行する休日出勤の強要などで厳しい労働環境にさらされている京王電鉄新労働組合(京王新労組)は11日、本社前(多摩市)でストライキ集会を実施。労働者の要求の実現とともに、「安全運行の確保」について要求を掲げました。
京王電鉄グループのバス運行事業では、昨年11月5日に同グループの西東京バスが八王子で、同月8日には日野市から運行を受託するコミュニティバスが連続死亡事故を起こしています。また12月3日には50代の運転手が運行中に身体の不調を訴え、代替要員に運転を交代後に救急搬送されています。
同社グループでは適正人員の8割で業務をこなす過酷な状況が横行。死亡事故を繰り返す異常が起きても労働環境が改善されることがなく、休日出勤なしでは生活が成り立たない低賃金が続いています。旅客や歩行者、労働者の命を脅かしており、集会では基本賃金のベースアップ(ベア)の他、適正人員の配置や、組合差別の解消などが訴えられました。
マイクを握った佐々木仁委員長は「お客様第一と言うなら、お客様の命を守れる働き方が必要」などと社内体質の改善を求めました。集会には全労連や東京地評、建交労、地域労連などからも駆けつけ、支援と連帯のあいさつ。多摩川太鼓の力強い鼓動が参加者を激励しました。
春闘で運輸・観光など回答も低額の傾向にあり、労働者の不安を増大させています。労働者が団結し賃金アップや雇用維持の他、企業の社会的役割を果たさせようとの集会は、行き交う人の注目を集めていました。
東京民報2021年3月28日号より












