
今回の都議選(6月25日告示、7月4日投票)で、一部メディアは、自民党と都民ファーストのたたかいのように描いています。しかし今の都政を見れば、公明党・都民ファーストの与党に自民党が加わり、経済効率優先で暮らし・福祉に冷たい自民党型都政に逆戻りしているのが実態です。この3会派の主張や小池都政への姿勢にどれほどの違いがあるのか、都政の重要課題で各党・会派の主張・立場を見ました。1回目は、新型コロナの感染拡大が広がる中、目前に迫った東京オリンピック・パラリンピックの開催についてです。

日本共産党は東京五輪の開催を中止すべきとの立場です。理由は①ワクチン接種が間に合わない②フェアな大会になる保障がない③多数の医療従事者を五輪に集めるのは現実性がない―をあげています。現実を見ると、それぞれの問題は、より深刻となっています。
国内では感染拡大の第4波が始まり、感染力や重症化率が従来型より強力な変異株ウイルスが猛威をふるい始めています。世界を見てもインド、ブラジルなどで感染状況が非常に深刻化しています。志位和夫委員長は8日の記者会見で「最悪の場合は国内外での感染爆発の契機になり得る」と指摘。「開催国である日本の政府が自らの責任で中止を決断し、各方面と調整して直ちに対応すべきだ。もうタイムリミットだ」と強調しています。
一方、日本メディアは開催への前のめり報道が目立ちますが、そうした中でも、世論調査では7割~8割が再延期か中止を求めています。
都議会ではどうでしょうか。小池知事は「安全・安心な大会の開催に向けまして、引き続き関係者と一体となって全力で取り組んでまいります」(自民党代表質問への答弁)と、どんなにコロナ禍が深刻になっても、開催に突き進む姿勢を変えていません。
これに対し、都民ファーストの会も、自民、公明両党も、推進で足並みをそろえています。日本共産党都議団だけが、明確に開催中止を主張しています(一覧参照)。
政府や東京都がこのまま五輪開催へ突き進むなら、都議選は感染爆発から都民の命と暮らしを守る選択ができる、大きなチャンスとなるでしょう。
【東京民報2021年4月18日号より(一部WEB用に編集あり)】