違法操業生コンにサイロ 大企業子会社 問われる責任 

 足立区花畑2丁目の住宅街で、巨大生コンクリート(生コン)工場が違法操業を続けている問題で、工場内に設置されているセメントサイロが、大手化学メーカー・トクヤマ(本社=山口県)の100%出資子会社の所有であることが分かりました。区議会でも全会一致で移転を求める陳情が採択された違法操業の工場に子会社のサイロを置き続ける、大企業の社会的責任が問われています。

違法操業を続ける生コン工場。サイロ(中央右)には、TOKUYAMAの文字と、同社のシンボルマークが=足立区花畑

 花畑2丁目にある株式会社「西野建材」の生コン工場の巨大なサイロには、「TOKUYAMA」の大きな文字と、トクヤマのシンボルマークが描かれています。

 トクヤマが100%出資する子会社、トクヤマ通商株式会社(本社=港区)のホームページには、生コン仕入れ先として同工場を明記。工場が18年に粉じん飛散事故を起こした際は、「トクヤマ通商」の名前で謝罪の看板が立てられました。

 東京民報がトクヤマ通商に取材したところ、西野建材から生コンを仕入れていること、サイロの所有権は同社にあることを認めました。

 担当者は、同工場が違法状況にあることや、区議会での全会一致の陳情採択については「知らない。初めて聞いた。これまで長い付き合いで、法令については調べていない」と答えました。

全会一致で陳情が

 生コン工場が立つ地域は、第1種低層住居専用地域。小中学校や公園が近接する地域で、高さ10㍍や12㍍未満の賃貸住宅の他、店舗も50平方㍍未満と規制されています。3000平方㍍もの面積で高さ10㍍超のプラントを擁する生コン工場は、30年以上も違法操業を続けています。

 これまで地域の住民は「花畑を住みよくする会(よくする会)」を結成し、工場の移転を求めて長年運動を進めてきました。日本共産党区議団も、住民の声を受け止めて区議会で質問。区議会は2017年、2018年と2回に渡り移転や環境保全の陳情を全会一致で採択しました。さらに今年の第1回定例会にも「工場の早期移転を求める陳情」が提出され、審査が続いています。

法令順守いうのに

 親会社のトクヤマは、東証一部上場の大手化学工業メーカー。ホームページで「コンプライアンス(法令順守)」を掲げています。

 同社東京本部は東京民報の取材に対し、「子会社まで(企業活動に対する)法令順守の徹底は当然」としたうえで「早急に調査を行う」と返答。3月29日までに同工場の違法操業などへの認識を回答するよう求めたところ同日、「現在、事実確認の調査を進めている」との答えがありました。

 閑静な住宅街で幅員6㍍の生活道路目一杯の大きなコンクリートミキサー車が、登下校中の子どもたちとすれ違う異様な光景をなくすことが、大企業の社会的責任として問われています。生コン工場の違法操業の解消は待ったなしです。

【東京民報2021年4月4日号より】

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA