菅首相とバイデン大統領による日米首脳会談が、16日にホワイトハウスで開かれました。バイデン氏にとって初の対面での首脳会談です▼発表された共同声明は、「日米同盟を一層強化する」と軍事同盟強化の姿勢を鮮明に打ち出しました。日本政府は「自らの防衛力」の強化を約束し、サイバー空間や宇宙などでの防衛協力を進めるとしています▼共同声明としては、52年ぶりに台湾に言及し、「両岸問題の平和的解決を促す」と明記。東シナ海や南シナ海における、一方的な中国の権益拡大の試みにも言及するなど、対中国の姿勢を強く打ち出しています▼台湾をめぐっては、3月9日に米インド太平洋軍の司令官が、アメリカ議会の上院軍事委員会の公聴会で、今後6年間のうちに中国による軍事攻撃の可能性があるとの証言をしています。証言では、中国周辺で武力紛争が起きた場合、米海軍が地域に到達するまでは3週間ほどかかり、その間は水陸両用作戦などの戦闘能力を持つ自衛隊に期待する、とも述べたといいます▼一連の同盟強化の動きは、安保法制以降、日米の共同演習がより大規模、実戦的なものに変容していることとも連動します。日米と中国が軍事強化を競う道は、破滅的な緊張のエスカレートしかもたらしません。
東京民報2021年4月25日より







