東京都 緊急事態宣言を解除 7月11日まで重点措置に〈2021年6月27日号〉

 東京や大阪、北海道など10都道府県に発令していた新型コロナ対応の緊急事態宣言は21日、沖縄を除いて解除され、岡山、広島以外の7都道府県は、まん延防止等重点措置に移行しました。重点措置が適用されていた5県のうち埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は期限を延長。移行、延長とも期限は7月11日までです。

共産党 解除の条件ない

 東京都は感染対策の研修(ネット)を済ませた飲食店に対象を限って、これまで規制してきた酒類提供を一部認めます。ただ午前11時~午後7時の間で、2人までの入店で滞在期間は90分の制限を設けます。午後8時閉店の営業時間短縮の要請は維持します。

 日本共産党の志位和夫委員長は、宣言解除について「少なくとも東京都には解除の条件もなく、反対だ。十分な補償と支援の抜本的な強化をしっかり行い、それと一体に宣言は継続すべきだ」(17日の記者会見)と強調。「今度こそ、ワクチンの迅速接種と大規模検査の両方を一体的に推進し、コロナの封じ込めをはかる責任を政府は果たすべきだ」としています。

 国立感染症研究所は前回の宣言解除時よりも新規感染者数が多いことに加え、インド由来のデルタ株(変異種)が拡大し、その影響が小さい場合でも7月後半には1日の新規感染者数は、1000人を超えると試算しています。

都内感染下げ止まり

 東京では、新規感染者数のリバウンド傾向が見られ、都のモニタリング会議の専門家からも「再拡大の危険性が高い」との指摘が出ています。

 17日開いた都のモニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は、新規感染者数が「十分に下がりきらないまま、いまだ高い値で推移している」と指摘。感染力の強い変異株の影響で、急激な感染再拡大の恐れがあると分析。東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、人出の増加が下げ止まりに影響しているとの見方を示し、「リバウンドのリスクが高まっている」とのべました。

 実際、前週の同じ曜日との比較で減少傾向にあったのが、先週末から上回る曜日が続き、一週間平均の新規感染者数も19日377.7人から20日388.0人へと増加しています。

予算専決を批判

 小池百合子知事は緊急事態宣言解除の重点措置移行に伴う補正予算(2567億円)を18日、議会の議決を経ない専決処分で決めました。専決処分は今年度5度目。共産党や立憲民主党など6会派が、臨時議会の招集を繰り返し求めていました。

 共産党都議団の和泉なおみ幹事長は同日、「やる気が見えない補正予算の専決処分に抗議する」とのコメントを発表しました。

 和泉幹事長は補正予算の内容について、「96%が国費で、都独自事業はほとんどない。事業者への踏み込んだ支援はなく、ワクチン接種や検査の促進も、医療機関への支援も、都民のくらしを支える支援も、文化・芸術への支援も、1円も計上されていない」と指摘。「都民・事業者の自己責任まかせで、都民・事業者の窮状にこたえる姿勢も、本気になって感染拡大を抑えようというやる気も見えない」と批判。

 さらに「今回、臨時議会を開かないと、今期に行われた専決処分の承認を、来期の都議会にゆだねることになり、ありえないこと」と強調。「すみやかに臨時議会を開いて、これまでの対策を検証し、いま何をすべきか、十分な議論をすることを求める」としています。

臨時都議会を要求

 都議会の共産党、立憲民主党、東京みらい、生活者ネット、自由を守る会、東京維新の6会派は18日、石川良一都議会議長に対し、補正予算を審議する臨時議会を開くよう申し入れました。

東京民報2021年6月27日号より

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