共闘の勝利 総選挙躍進の力に

都議選 日本共産党19議席前進

都議選で当選した19人と衆院比例東京ブロック予定候補5氏が勢ぞろいして行った街頭宣伝=5日、新宿駅西口

都議選(42選挙区、総定数127)が4日投開票され、「五輪より命を大切にする政治を」「五輪を中止し、コロナ対策に全力集中を」と訴えた日本共産党は、改選時より1議席伸ばし19議席を獲得、3回連続で勝利しました。市民と野党の共闘が広がる中、1人区の小金井市で共産党も推薦する無所属候補が当選。「五輪の延期か中止」を主張した立憲民主党も8から15議席へと伸ばし、両党合わせると議会招集を請求できる勢力となりました。

小池与党は議席後退

議席の大幅増を狙った自民党は8議席増やしたものの、過去2番目に少ない33議席にとどまりました。目標とした公明党(現有23議席維持)と合わせての過半数(64)に大きく届きませんでした。第一党だった都民ファーストの会は31議席と15議席後退。小池都政を支える自公都ファ合わせた議席は、改選前より7議席後退しました。

新宿で報告街宣

「幅広い共同の力がトップ当選に私を押し上げました。この力で都立病院の独法化ストップへ頑張ります」。2人区の文京区でトップ当選を果たし、激戦を勝ち抜いた福手ゆう子氏の声が響きます。

投開票から一夜明けた5日午後、日本共産党は都議選の結果報告の街頭宣伝を新宿駅西口で行い、19人の当選者と5人の衆院選比例予定候補が勢揃い。全員がマイクを握り、公約実現と秋までに行われる総選挙勝利への決意を元気に表明。大勢の人が足を止め、温かい拍手と声援を送りました。

小池晃書記局長が司会し、志位和夫委員長が訴えました。志位氏は選挙結果について、「野党第一党を維持する大きな勝利」と強調。議席を倍増させた2013年から3連続で勝利したのは革新都政時代の1960〜70年代に続く「半世紀ぶりの快挙となった」とのべました。

また勝利の要因について、「五輪より命を大切にする政治の実現」「五輪を中止しコロナ対策に全力を」との主張や、都政を変える「4つのチェンジ」に、多くの人から共感や支持が寄せられたことを指摘。一方、3つの国政補選での全敗に続き、公明党と合わせて都議会過半数を獲得するという自民党自らが掲げた目標に届かなかったことをあげ、「菅自公政権への深い怒りがあることが示された。政権の大打撃となった」と強調しました。

その上で、市民と野党の共闘が勝利に結びついた成果についてのべ、「野党共闘が発展し、信頼関係が深まった。この成果と教訓を生かして、総選挙で比例850万票15%以上の目標達成へ全力をあげます。市民と野党の共闘を必ず成功させ、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権、野党連合政権をつくるために頑張ろうではありませんか」と力を込めました。

女性14人で第1党

投票率が42・39%と前回(51・28%)より大きく低下するもと、日本共産党の得票率は、前回と比較可能な選挙区で14.83%から15.79%へ0.96ポイント前進しています。

当選者の現新別では、立候補した現職16人のうち6票差で惜敗した目黒区の星見てい子候補を除く15人が当選、新人は2人区の福手ゆう子(文京区)、清水とし子(日野市)両候補、現職から議席を引き継いだ江戸川区の原純子候補、八王子市のアオヤギ有希子候補の計4人が当選しました。

女性の当選者は全体で過去最多の41人でした。このうち共産党の当選者は14人(約74%)で、都議会第1党です。2番目は12人(約39%)の都ファ、4人の立民と自民が続きます(表)。

共闘が勝利に結実

今回の都議選では、市民と野党の共闘が大きく広がりました。立憲民主党と共産党との間で総選挙を見据えた協議が進み、1・2人区と3人区の一部で重複を避ける調整が進み、相互の応援が行われました。その結果、候補を共産党に一本化した5選挙区、立民などに一本化した8選挙区で勝利しました。志位委員長は5日の新宿駅西口での街頭演説で、 「相互の応援が自民党を追い詰める大きな力を発揮した」と成果を強調しました。

例えば2万1939票(得票率34.81%)を獲得しトップ当選で原のり子候補が再選を果たした2人区の北多摩4区(東久留米市、清瀬市)では、社民、緑の党の推薦を受け、立憲民主党の国会議員も応援にかけつけました。共産党が擁立を見送った4人区の中野区で立民がトップ当選、同じく1人区の武蔵野市、2人区の渋谷区、三鷹市などで自民候補らを破って立民がトップ当選しています。

また、1人区の小金井市では、共産、立民、社民、ネット、緑の党が推薦した漢人(かんど)明子候補(無・新)が、1万8789票(得票率45.40%)を獲得し、都ファ現職、自民新人両候補を破り、初当選しました。

(2021年7月11日号より)

都議選当選者一覧

大山とも子
(新宿区)
福手ゆう子
(文京区)
あぜ上三和子
(江東区)
白石たみお
(品川区)
藤田りょうこ
(大田区)
里吉ゆみ
(世田谷区)
原田あきら
(杉並区)
米倉春奈
(豊島区)
そねはじめ
(北区)
とくとめ道信
(板橋区)
とや英津子
(練馬区)
斉藤まりこ
(足立区)
和泉なおみ
(葛飾区)
原純子
(江戸川区)
アオヤギ有希子
(八王子市)
池川友一
(町田市)
尾崎あや子
(北多摩一)
清水とし子
(日野市)
原のり子
(北多摩4)

2021年都議選得票一覧 (↓ クリックするとPDFデータが開きます

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