共産党都議団 パラ中止し命守れ 感染拡大受け小池知事に〈2021年8月22日号〉

 日本共産党都議団は小池百合子知事への新役員就任のあいさつで(12日)、和泉なおみ幹事長は「自宅療養中に亡くなる方があり深刻な状況だ。パラリンピックは中止の決断を」と訴えました。

 和泉なおみ幹事長は都議選で「五輪を中止し新型コロナウイルス対策に全力集中を」との公約が共感を呼んだことを紹介。命を守るために、広いフロアに多数のベッドを配置した臨時施設の整備や、医療機関支援、PCR検査の大規模実施を要望。事業者が安心して休業・営業短縮できるよう十分な補償を提起。今後も積極的提案を行っていくとのべました。

 また、これに先立つ6日にも、以下のような緊急の申し入れを行っています。▽パラリンピックを開催中止し医療従事者や検査能力、施設等をコロナ対策に集中する▽都の検査能力をフル活用し、無症状を含め感染者の早期発見に努める。迅速・効率的な検体採取の仕組みを構築する▽保健所業務を全庁横断で支援する▽宿泊療養施設で安全に医療提供ができるようにする。医療従事者の人件費を都として引き上げる▽臨時療養施設の整備を行う▽都知事の「自宅も病床」発言は撤回し、入院基準の見直しはせず、軽症・無症状者は宿泊療養を基本とする▽在宅医療を支える体制を確保する▽都立・公社病院の地方独立行政法人化は直ちに中止し、新型コロナ対応に集中できるようにする▽感染した障害者を障害特性に応じて受け入れることを徹底する―ことなど。

五輪が感染拡大 多数が回答

 国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は12日の東京都のモニタリング会議で、感染拡大への五輪の影響について「感染リスクが高いにも関わらず、オリンピック競技場の周辺や沿道では、大勢の人が集まり、応援する姿が見られた。今一度、屋外であっても密集・密接することは、感染リスクが高いことを啓発する必要がある」などと指摘しました。

 東京五輪の開催が感染急拡大に影響したと考える人たちは、世論調査でも多数にのぼっています。JNNの調査(8月7、8日)では60%が「五輪が感染拡大につながった」と回答。「朝日新聞」(同)では五輪によって自粛が「ゆるんだ」と答えた人が61%にのぼっています。

 また、尾㟢治夫・東京都医師会長も、東京新聞(14日付)のインタビューで、「五輪は祭典なので、緩む方向に影響を与えたことは、否定はできない。間接的な感染者が増える原因にはなった」とのべています。

「五輪が感染抑止」小池知事が強弁

 小池百合子知事は13日の記者会見で、「(大曲氏の指摘は)印象論でおっしゃった」と全否定し、「エピソードベースではなくエビデンスベースで語ることが重要だ」と、具体的根拠も示さずに五輪と感染拡大との関連を否定しました。

 小池知事は、東京五輪について、感染爆発が起きたのに「経験したことがない困難な状況だが、無事にやりとげることができた。感染拡大の抑止につながった」と強弁。パラリンピックも強行する姿勢を示し、子どもたちを動員する学校連携観戦について、「子どもたちには見せたい。ただ、感染状況や学校現場の意見もあるので、これらを踏まえながらの判断になる」としました。

〈東京民報2021年8月22日号より〉

関連記事

最近の記事

  1.  「裏金事件」で自民党への批判と怒りが大きく広がるなか、公職選挙法違反事件で有罪が確定した柿沢未途…
  2. 球場とラグビー場の再生案を発表した会=10日、豊島区  神宮球場と秩父宮ラグビー場を取り壊し…
  3.  今年1月に起きた日本航空機と海上保安庁機の衝突事故をうけて11日、日本航空被解雇者労働組合(JH…
  4. 市議会本会議で初質問に立つ荒木市議  市議になる前は、33年間、都内の私立校で数学教員をして…
  5. 伊藤ひろみ市議  議会に送っていただいて、4回目の定例議会が終わり、ほぼ1年経ちました。福生…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る