国交省は有識者による「シールドトンネル施工技術検討会」を9月24日に第1回検討会を発足させました。調布市内での東京外かく環状道路(東京外環)の大深度地下トンネル工事での連続する地表陥没・巨大地下空洞発生や、新横浜でのトンネルでの陥没などのシールドマシン工事での事故をうけ、工法の安全を図るためガイドラインを策定するとしています。
検討会について日本共産党の山添拓参院議員は7日、調布市議や練馬区議らと一緒に国交省に聞き取りを行いました。
山添議員は「第2回目にガイドラインの案を提出するのは早急過ぎる。策定の趣旨に反する」と指摘。さらに「東京外環での事故は住民からの振動や騒音などの被害の訴えを無視し、施工ありきで突っ走った結果ではないか。工事の安全と住民の安全が必ずしも一致するとは限らない」と批判しました。
東京外環の事故現場付近の住民も参加し、未だ続く地表や家屋の変状への恐怖と不安、改善について訴えました。
山添議員は「高速リニア新幹線の大深度地下トンネルの調査掘削も含め、事故防止の観点からガイドライン策定まで工事は中止すべき」と厳しくただしました。
しかし、JR東海は14日から調査掘削を開始するとしています。
お手盛りの検討明らか 武内更一弁護士
国交省は東京外環の事業主体です。NEXCO東日本と中日本は共同事業者ですが、国交省主導で進められています。
その国交省が検討会を設置しても、中立性は全くありません。お手盛りの組織であり、事業者に都合の良い、おそらく科学的、技術的根拠の無い、または極めて薄弱なガイドラインが策定されるでしょう。
国交省の狙いは、国が策定したガイドラインと称する準則をもって、工事を正当化して再開しようとしているのだと思います。そしてリニア新幹線工事にも影響することは明白です。(「東京外環道訴訟」弁護団)
(東京民報2021年10月17日号より)