自公 医療崩壊に反省なし 対決構図は鮮明 公約・主張に見る 緊急課題の気候危機、ジェンダー平等 核禁止条約の立場は

 政権選択が最大の争点となった総選挙。立憲野党は市民連合との20項目にわたる共通政策で合意し、7割を超す小選挙区で候補を一本化。一方、比例代表選挙では、各党がそれぞれ公約を掲げ、支持拡大を競い合っています。日本共産党は自公政治を終わらせ新しい政治のスタートを切ろうと「4つのチェンジ」を提案しています。党首第一声や公約などから自公政権と日本共産などとの主張・政策の違いをみました。

比例で日本共産党の大躍進をと公示第一声で訴える日本共産党の笠井亮比例候補ら=10月19日、新宿区

 新型コロナウイルス感染拡大で医療危機に直面し、多くの人が入院も宿泊療養もできずに自宅待機を余儀なくされ、自宅で死亡した人を含め、東京だけで3100人を超える人が亡くなりました。いま新規感染者が減少したとはいえ、第6波への警戒が専門家からも呼びかけられ、与野党ともコロナ対策を大きな争点と位置付けています。

 岸田文雄首相は「最悪の事態に備えながら、これから考えていかなければならない」(第一声)と言うだけで、具体策の提案はありません。公明党の山口那津男代表は「ワクチンの普及、この道を開いたのは公明党だ」(同)と、自画自賛ばかり。

 両党とも「GoToキャンペーン」や東京五輪の強行、PCR検査の抑制など、自公政権の無為無策のもとで感染爆発が起こり、医療崩壊で多くの国民の命が失われたことへの反省はなく、「GoTo」再開を目玉政策に掲げています。

 一方、日本共産党の志位和夫委員長は①ワクチンと一体に大規模検査で感染の火種を消す②感染症医療や保健所の予算を2倍にして、壊されてきた医療・公衆衛生を立て直す③コロナで傷ついた事業と暮らしに支援する―と提起しています。また、立憲民主党の枝野幸男代表は自公政権を「後手後手に回り続けてきた」と批判し、「ただちに総理と官房長官を中心とした強い司令塔をつくって、各役所に力を最大限発揮させる」(同)と強調しています。

 総選挙の投票率向上を目的に、市民運動を通じてつながった有志が各国政政党へ送った公開質問状の回答をまとめ、「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト 衆議院選挙2021」として15日、参院議員会館で発表しました。

経済対策 アベノミクスの転換

 コロナで傷ついた国民の暮らし、経済の立て直しも大きな争点です。

 岸田首相は「日本の経済をまず大きくし、その成長の果実を分配していく」(同)と、格差と貧困を拡大したアベノミクスの“三番煎じ”とも言われる主張を繰り返しています。

 志位委員長はアベノミクスで分配を独り占めしたのが富裕層と大企業で、庶民には分配が回らなかったと批判。「弱肉強食の新自由主義は終わりにして、命と暮らしを何よりも大切にする政治へ」とのべ、政権交代で庶民・中小企業への分配を厚くする経済への転換を呼びかけています。

 「診察の際はこれまで通り、健康保険証をご持参ください」―開業医を中心に全国で10万8000人の会員を有する全国保険医団体連合会(全国保団連)は21日、記者会見を開き、「テレビなどでは『20日からマイナンバーカードを保険証として本格運用した』と報道していますが正確ではない」と苦言を呈しました。

 厚労省によるとマイナンバーカードの保険証利用準備が完了している医療機関(病院、医科・歯科診療所、調剤薬局)は7・9%、全国で約1万1309施設(厚労省ホームページより、10月17日現在)だといいます。テレビでは便利さを強調していますが、本格的運用とするにはあまりに準備が不足しています。

 またマイナンバーカードを保険証として持参し、医療機関が未対応だった場合には「保険証忘れ」として処理することが確認されています。「患者にその場で全額の医療費を支払ってもらい後日、保険証を持参した際に自己負担割合(1~3割)に応じた金額を返金する」というのです。全国保団連の理事らは「本格的運用と、多数の医療機関で対応できるような報道は医療現場で混乱を招きかねない。ぜひ、保険証持参で受診して欲しい」と警鐘を鳴らします。

 国の支援対応は大学病院のような施設でもマイナンバーカードリーダー(読み取り機)は3台しか手当されず、受付機の数との整合性が取れないことや設備の対応などが複雑で対応しきれないことが障壁となっているといいます。

 この日の会見では来春に改定予定の診療報酬について「引き上げ」を求める会員の声も紹介されました。20年で10%引き下げられているとして、コロナ禍における医療資機材の価格高騰やスタッフの確保も大変で医療機関の経営は厳しいと訴えています。

気候危機 石炭火力・原発を廃止

 気候危機は待ったなしの緊急課題です。共産党の志位委員長は日本記者クラブの党首討論で「気候危機は非常事態であり、危機感を共有して緊急に行動することが必要」との認識を示し、その試金石となるのが二酸化炭素を大量に排出する石炭火力への対応だと強調しました。

 岸田首相は石炭火力について「30年に向けてフェードアウトする」というものの、自公政権は今後9つもの石炭火力の新増設計画には手をつけようとしていません。

 共産党は「気候危機打開の2030戦略」で、2030年までに石炭火力を原発とともにゼロにすることを提案。省エネルギーと再生可能エネルギーの大規模な普及で30年度までに二酸化炭素を最大60%削減(10年度比)する計画です。これを実行することで、年間254万人の雇用増、GDPも累計で205兆円増やすことができるとしています。

ジェンダー平等 男女賃金格差の解消

 ジェンダー平等を求める市民運動の盛り上がりの中、この課題が争点に急浮上しています。

 日本の男女の賃金格差は世界でも突出し、女性は男性の55%、生涯賃金で1億円近い格差があります。日本共産党の志位委員長は民放の討論番組で、解消のカギは企業に格差の実態をつかんで公表を義務づけ、見える化することと提案。しかし岸田首相は「情報公開の対象にしない」と答え、格差を隠す姿勢を示しました。

 また選択的夫婦別姓も争点で、記者クラブ主催の党首討論(18日)で9人の党首のうち、岸田首相だけが賛成しませんでした。

平和外交 核兵器禁止条約に参加

 核兵器禁止条約への参加を求める世論が広がっていますが、「核の傘」に固執する自公政権は背を向け続けています。

 共産党の志位委員長は、アメリカと軍事同盟を結んでいる国でもアメリカ本土でも、核兵器禁止条約に賛同する深い流れが起きていると強調。「唯一の戦争被爆国・日本の政府がこれに背を向けているのは、恥ずかしいことだ」と批判。禁止条約に署名・批准する政権をつくり、「核兵器のない世界の実現に貢献しよう」(第一声)と呼びかけています。

(東京民報2021年10月31日号より)

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