JR東海によるリニア中央新幹線のトンネル工事をめぐり、日本共産党の山添拓参院議員、池川友一都議、田中美穂町田市議、大野まこと町田地区副委員長は19日、着々と工事の準備が進む町田市の住民らとともに衆院第一議員会館で国土交通省に聞き取りました。
山添氏らはJR東海が今年9月に町田市民に対して開いた工事の説明会や、現地視察(11日)で寄せられた住民からの疑問・要望をまとめ、5項目、全13の質問を国交省へ事前に提出。国交省を通じてJR東海の同席も希望しましたが、JR東海は一民間企業に過ぎないとの立場を主張し、参加を断りました。

家屋調査について、JR東海はトンネル端部から約40㍍の範囲で行うと示しています。調布市で発生した外環道工事に起因する陥没事故を受け、住民は40㍍を超えた近接区域での家屋調査を求めていますが、JR東海の答えは「実施については考えていない」と拒むものでした。
「シールドマシン(掘削機)の発進は家屋調査終了後と考えてよいか」という質問に対して、国交省は「あるかもしれないし、ないかもしれない」と極めて曖昧な回答。山添氏は「確約はしていないのか」とただしました。
参加した住民から「リニア新幹線は国家事業なのか、民間事業なのか」「国の責任は一体どこにあるのか」「世界が持続可能な社会を目指すなか、リニア新幹線は従来の新幹線と比べて消費電力が約4倍に及ぶ。環境破壊をもたらす負の遺産でしかない」など、厳しい意見が飛び交いました。
山添氏は住民らの意見を受け止め、「大深度地下工事をこのまま進めるのか再検討するべき」と強く訴えました。
(東京民報2021年11月28日号より)