小笠原諸島の福徳岡ノ場(海底火山)の噴火に伴い発生中の軽石が海流で次々と漁港などに漂着している問題で18日、山添拓参院議員は対策について聞き取りを行いました。先の衆院選で当選した笠井亮、宮本徹両議員も参加し、現状と対応について聞きました。
内閣府の担当が状況について説明。文部科学省、国土交通省、農林水産省、環境省などが対応について述べました。内閣府によると16日以降、噴火は認められないものの活発な地下火山活動が継続しており、明治以降に発生した日本列島における噴火の中では最大級であり1914年の桜島火山噴火に次ぐ規模だといいます。
この噴火により新島が形成され、海面を埋め尽くした軽石が海流によって西に移動し、沖縄などに漂着したものです。
4日に高知沖で確認された軽石は伊豆諸島に先着し始め、21日以降に本格的に到達するとしたシミュレーションが示されました。漁船やフェリー などへの被害が懸念されます。
軽石は船舶のエンジンに吸い込まれると故障の原因になるとされ、船舶の規模により大きな差異がないといいます。各省庁は被害予測による対応も軽石が海流により常に流動するために立てにくい現状を説明しました。また東京都は港湾内への軽石の流入を回避するためにオイルフェンスを一部張り始めています。しかし、島や漁港などの出入り口は狭いために覆ってしまうと荒天時に避難で入港しようとする船舶に支障が出る可能性があるため、対応に苦慮しているといいます。
山添議員らは「観測を適宜に行い、警報など情報提供を迅速に行うこと」などの他、関係省庁の連携を密にした対策や、撤去費用の国庫負担について適切かつ迅速に行うことなどを要望。島しょ部のライフライン確保にも言及し対応の強化を求めました。
◇
東京都は18日、オイルフェンスを神津島港と御蔵島港、その後新島、三宅島の各港にも設置しました。船舶の利用状況に応じて一時的に取り外す場合もあるとしています。また、必要な場合は地元自治体や漁業関係者と調整のうえ、順次設置していくとしています。
(東京民報2021年11月28日号より)