〈一分12月5日号〉新型コロナの新たな変異株オミクロン株が、世界に脅威を与えています▼ウイルスが人間の細胞に進入する際に、…
- 2021/12/1
- コラム・オピニオン
新型コロナの新たな変異株オミクロン株が、世界に脅威を与えています▼ウイルスが人間の細胞に進入する際に、細胞の表面の受容体に結びつく役割を果たすスパイクタンパク質に約30カ所の変異があるというオミクロン株。感染力が強くなったり、ワクチンの効果を弱めることが懸念されています。世界保健機関は、警戒度が最も高い分類に認定しました▼オミクロン株の感染者は、すでにヨーロッパやオーストラリア、アジアでも見つかっています。急速な拡大は、感染力の強さを心配させます。日本政府は11月29日、外国人の入国制限を全世界に拡大することを決めました▼世界でも感染対策の再強化や、外国からの入国制限の動きが広がっています。ワクチン接種や治療薬研究の進展などで、遠くに希望の光が見え始めていたかのようだったコロナ禍の行方に、再び暗雲が立ち込めています▼デルタ株が猛威をふるった第5波では、重症者も自宅療養を迫られる深刻な医療体制の危機を招きました。現在は、新規感染が大幅に減った一方で、各地の食料支援などに並ぶ人の数は、過去最多を記録しています。新たな変異株の広がりを前に、デルタ株の教訓を踏まえ、医療と検査、補償を充実させる科学的な対策が求められています。
(東京民報2021年12月5日号より)