〈一分12月12日号〉「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」―岸田文雄首相が6日、所信表明演説で、アメリカの…
- 2021/12/6
- コラム・オピニオン
「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」―岸田文雄首相が6日、所信表明演説で、アメリカのケネディ元大統領のものとして引用した言葉です▼新型コロナの次なる流行に備えて、「最悪の事態を想定」した準備を今から実行すると訴えた岸田首相。演説では、今年の夏より1万人多い3万7千人規模の入院ベットを確保したことや、ワクチンの3回目接種、飲み薬による治療薬の普及などを進めると強調しました▼入院体制確保の一方で岸田政権は、消費税収を利用した病床削減の計画に固執しています。大雨が来るのが分かっているのに、屋根に空いた穴を修理どころかどんどん広げていくようなチグハグな対応です▼所信表明では、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」を「歴史的挑戦」と位置付けています。市場や競争に過度に依存する新自由主義の見直しを掲げるとしながら、強調したのは「まずは成長戦略」。デジタル化、経済安全保障の名による大企業支援など、安倍・菅政権そのままの政策が並びます▼岸田氏はさらに、「敵基地攻撃能力」の保有検討にも踏み込みました。アベノミクスの名の下でかつてない軍拡を進めた安倍政権の路線をさらに進め、危険な「戦争をする国」への歩みが加速しています。
(東京民報2021年12月12日号より)