「校則による拘束」苦痛に 学生団体 文科省に改善求める〈1月23日号より〉

 ジェンダーやセクシャリティなどのアイデンティティー(自己同一性)を否定されることなく、誰もが平等な権利を持ち、声を上げやすい社会の実現をビジョンに掲げる「一般社団法人Voice Up Japan」の高校生支部が7日、「高等学校における個性を尊重した校則・制服制度への改善を求める意見書」を文部科学省に提出しました。

文科省に意見書を提出したメンバー=7日、千代田区

 意見書では、下着の色の指定や水分補給の禁止といった合理性が不明な校則、身体的な性に基づく制服により、生徒が学校生活の中で息苦しさを感じている現状を訴えています。一人一人が個性を発揮しつつ快適に生きられる環境を実現するため、①校則について生徒同士、もしくは生徒と教師が意見交換できる場の設置②校則改正プロセスの明文化③生徒の性自認や自己表現を尊重する、制服が選択できる制度の義務化―を求めました。

 意見書提出後に記者会見を開き、共同代表の女性(15歳)は提出理由について、「私たち高校生が声を上げることで、社会に対してより強く、問題の緊急性を訴えることができる」と強調。文科省側が、時代に沿った校則の必要性には前向きな姿勢を見せながらも、「教員の意識を文科省からの通達だけで変えるのは難しいところがある」とコメントしたことを報告しました。

 メンバーは、校則・制服制度の改正に向けて「壁に突き当たった印象がある」と感想を述べました。

校則・制服の調査結果

 同支部は意見書の作成に当たり、昨年6月に全国の10~30代を対象に、校則・制服制度についてのアンケート調査をインターネットで実施。最終的に311人から回答が寄せられました。

 会見では、アンケート結果も公表。必要と考える校則は「特になし」と答えた人が最多の80人。廃止すべき・不要と考える校則は「頭髪の制限(140人)」「衣服の制限(98人)」「化粧の禁止(61人)」「アクセサリーの禁止(50人)」が上位に上がりました。

 制服について「非常に不満」「不満」と回答した人は37・4%。理由は「性別は女性だが性自認は男性なので、スカートを履くのが苦痛」「胸が強調される形に嫌悪感がある」「縛られすぎて個性がない」などの記述があり、メンバー(15歳)は、「多くの生徒が校則による拘束で苦しんでいる」と指摘しました。

 同支部の今後の活動について、SNS(交流サイト)を利用して全国に生徒会コミュニティーをつくり、校則・制服プロジェクトを広げていきたいと発表。共同代表の女性(18歳)は、「問題のある校則が全国にどれほどあるのか、多彩な活動を通じて深く掘り下げていきたい」と抱負を語りました。

(東京民報2022年1月23日号より)

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