気候危機 タイムリミットは7年半 渋谷の街に気候時計 募金集め設置目指す〈1月23日号より〉

「気候変動アクションを〝イケてるカルチャー”にしたい」。20歳以下のメンバーで結成された気候変動アクティビスト集団「a(n)action(アナクション)」が、「Climate Clock(クライメートクロック)=気候時計」を渋谷の街中に設置するためのクラウドファンディング(ネット募金)を行い、注目を集めています。

海外の気候時計を掲げる

海外の気候時計を掲げる酒井氏。時計の上段は地球のタイムリミットを示す時間。下段は再生可能エネルギーの使用割合(写真提供:アナクション)

気候時計とは、温暖化が進み、地球が回復不能な状態に陥ってしまうまでのタイムリミットを刻む時計。地球の平均気温上昇を産業革命以前と比べて1・5度以下にとどめるため、全世界で許容された二酸化炭素排出量の余地を使い切ってしまうまでの時間を、カウントダウンで表示します。

2020年9月に米国のニューヨークで初めて設置され、現在は韓国のソウル、英国のグラスゴーにも登場。時計は約7年186日(17日時点)を示しており、地球の限界は驚くほど間近に迫っているのです。

この危機を新しいアプローチで広く知ってもらうため、気候変動対策を求める若者主体の集団「Fridays For Future(FFF、未来のための金曜日) Japan」のメンバー4人が、昨年11月にアナクションを結成しました。

プロジェクトの発起人は、ナイハード海音みおさん(18歳)。ニューヨークに時計が設置されたニュースを見て、「あまりにも早いタイムリミットを突き付けられ、初めて自分ごととして捉えることができた。数字で表すと、シンプルだけど衝撃は大きい」と語ります。

グラスゴーでのCOP26にあわせてFFFが行った気候アクション=2021年11月6日

アクションを当たり前のものに

クラウドファンディングは昨年12月7日から始まり、1月27日午後11時まで。より多くの人を巻き込んでアクションを成功させるため、目標金額は1000万円と高く設定。本気でやらなければ社会システムは変えられないと考え、期間内に目標金額に達しなければ支援者に全額返金される仕組みを選びました。

まずは一号機として小型(縦23×横63㌢)の時計を5個開発し、日本のクリエイティブな文化が生まれやすいと言われる渋谷区にある商業施設のエレベーターホールや商店のレジなど、遊んでいる時にふと目に入るような場所に設置を予定。時計に添えたQRコードを読み取るとインターネットの特設ページにつながり、「日本政府にさらなる気候変動対策を求める宣言」に、1クリックで気軽に賛同できる仕組みを計画しています。さらに1万回クリックされるごとに、アナクションのメンバーが環境省に通知。市民の関心を、政府に可視化させたい考えです。

アナクションの4人

FFFで知り合い、アナクションを立ち上げた(左から)酒井功雄、三島のどか、黒部睦、ナイハード海音の各氏。現在はメンバーが増え、8人に(写真提供:アナクション)

クリエイティブに抵抗したい

昨秋、イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)に参加し、気候マーチに加わった酒井功雄さん(20歳)は、「マーチに参加する人はバチバチにおしゃれして、メークもキメて、フェスに行く感覚だった。アナクションは戦略的にエンターテインメント性を掲げ、クリエイティブに抵抗したい」と話します。

SNS(ネット交流サイト)の更新を担当する三島のどかさん(19歳)は、「カラフルなデザインでポップに発信して、気候危機に気づくきっかけがなかった人に届くような入口をたくさんつくりたい」と強調。1月3日に気候時計が7年200日を示したことから、SNS上で「#7年200日後の自分」キャンペーンを開始しています。

「7年200日後、私は社会人。気候変動に関する仕事をしながら、プライベートではイケてるかわいい古着を着て、畑仕事をしていたい」と、三島さん。ナイハードさんは「大学院で勉強しているかな。将来への希望が持てる状態で、好きな仕事を見つけたい」。酒井さんは「夏フェスを屋外で楽しんで、おいしいビールを飲む。友だちと安心して遊べる未来でありたい」と語ります。

(東京民報2022年1月23日号より)

区ラウンドファンディングの詳細

クラウドファンディングの詳細はこちらから

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