連載・東京都の気候対策②目標達成のプロセスを〈2021年12月19日号より〉

 日本の大企業が集中し、人口1400万人を擁する巨大都市、東京。膨大なエネルギー、資源が消費され大量のCO2(二酸化炭素)を排出しています。都によると東京のCO2総排出量は5505万㌧(2019年度)です。

 日本共産党都議団は、東京都が2030年までに温暖化ガスを2000年比50%削減し、エネルギー量50%削減などの目標を示したことは「重要」と評価しつつ、「その目標を実現するプロセスが示されていない」と指摘。「目標達成を裏付ける省エネルギー、再生エネルギーの目標と計画を持ち、厳格に進行管理し、進捗状況を公表すべきだ」と提起。専門家、環境団体、市民などの力を結集するよう提案しました(都議会代表質問=21年10月)。

 建築物や住宅の対策については、太陽光パネルだけでなく断熱も、また新築だけでなく既存住宅も助成や義務化による省エネと再エネ化を50%目標にふさわしく強化すべきだと主張。都有施設こそ真っ先に取り組むべきだとしています。

東京戦略に逆行も

 小池知事が3月に改定した「都市計画区域マスタープラン」では、都心の開発拠点がこれまでの32カ所から85カ所に大幅増加。大手町の390㍍のビル計画では、建て替え前のビルより高性能の省・再エネ設備を導入するのに、逆に年間2万㌧もCO2排出が増えてしまいます。共産党都議団は、巨大ビル建設を誘導する規制緩和が「ゼロエミ戦略に逆行している」と批判。大型開発で利益を得る大企業に課す都独自の「炭素税」を検討するよう提起しました。都は「国の動向を注視」(主税局長)と消極的です。また、石炭火力発電に対する認識も「国レベルで議論、検討がなされるべきもの」(環境局長)と、気候変動対策をリードする姿勢は見られません。

 すでに世界の平均気温は1・1~1・2度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組める時間は長くありません。「10年足らずの間に、全世界のCO2排出を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっている」(気候危機を打開する日本共産党の2030戦略)のです。目標倒れは許されません。(終わり=東京民報編集部)

(東京民報2021年12月19日号より)

関連記事

最近の記事

  1.  国土交通省は、日本共産党の宮本徹衆院議員の質問主意書への答弁書(5日の閣議決定)で、羽田空港での…
  2.  超党派議員の国会議員でつくる「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」は11日、国土交通省から先月に…
  3.  日本共産党都議団は12日、米軍横田基地に核搭載可能な米空軍のB52H戦略爆撃機が飛来したことに対…
  4. 1面2面3面4面 【1面】 共闘で金権の根を断とう 東京15区補選28日投票 運営…
  5.  「公式の帳簿に記載しない自由に使えるように不正に蓄えた金銭」▼広辞苑による「裏金」の説明だといい…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る