公的支援の後退明らか 年越し支援で相談村 相談者が昨年より増〈1月16日号より〉

 年の瀬にコロナ禍の影響で生活に困窮している人を支援する「年越し支援・コロナ被害相談村」が12月31日と1月1日の2日間、新宿区の大久保公園で開かれました。労働組合や有志の弁護士、市民団体などでつくる実行委員会が主催者となり、昨年に続き2度目の開催。今回は新たに第二東京弁護士会が協賛しました。

 寒波に見舞われる中、開始前から相談者が列をなし、開始と同時に食料ブースへ駆け込む姿もありました。両日の来場者は470人。相談件数は女性89人、男性329人の計418件。最年少18歳、最高齢95歳で、40~70代が約8割を占めました。

農民連が手配した野菜や果物、米(一部、全労連)などが並ぶ。相談者は自由に必要なものを持ち帰ることができる=12月31日、新宿区

 前回は3日間の開催で相談件数344件。今回はその数を大きく上回り、困窮者の増加が顕著になりました。

 年末年始、新宿区役所は閉庁。31日に臨時窓口を設けていた豊島区役所にスタッフが同行し、8人ほどの生活保護を申請しました。

 住まいを失った人の宿泊支援では、新宿区が一時滞在先のビジネスホテルを確保していないことが判明。日本共産党の大山とも子都議らが同行し、新宿区役所の宿直を介して宿泊費(1日当たり4000円)を貸与する手段を取りました。

 食料は、農民運動全国連合会が手配した、野菜や果物、米などが並び、弁当とともに必要なものを自由に受け取ることができます。全国労働組合総連合の布施恵輔事務局次長は「前回は弁当、カップ麺、パンなどを用意したが、米があると助かる、野菜や果物を食べる機会がないなどの声を聞き、今回は広く対応できるように準備した」と話しました。

 日本共産党のあきま洋、鈴木のぼる両台東区議は、路上生活者のサポートに熱心だった人の遺志を継ぎ、支援物資の靴下とトレーナーを大量に持って現れました。

 医療相談には同党の小池晃参院議員、谷川智行東京都委員会副委員長も参加。谷川氏は「生活の基盤が崩れ、医療が受けられない人がほとんど。慢性的な関節の痛みを訴える人が多く、死にたいと言う人もいた」と状況を説明。王子生協病院の佐野康太医師は、「無料低額診療事業の存在を伝えると、少し希望を持ってもらえる印象。新たな選択肢や情報を伝えたい」と述べました。

 女性専用ブースは、相談者が安心して話せるようにスタッフは横に座り、温かいお茶を飲みながら会話を交わし、背景にひそむ問題を見つけていきます。「女性による女性のための相談会」実行委員会の松元ちえ氏は、「孤独を感じ、精神的な不調を抱えている女性が多い。ここに来てやさしさに触れ、涙する人もいた」と語りました。

テントの中で相談者の悩みを丁寧に聞き取るスタッフら=12月31日、新宿区

 会社でのパワハラが原因でパニック障害になり、電車に乗れなくなった北区在住の女性(39)は、朝5時に起き、歩いて訪れました。「健康面の相談と、食料をもらいに来た。ここは知り合いがいて、笑わせてくれる。支援で生活をつないでいきたい」と話し、同日に豊島区池袋で行われるNPO法人「TENOHASI」の食料支援に歩いて向かいました。

 日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎闘争本部長は、「失業が長期化し、フリーランスの相談が増えているのも特徴的。仕事を探している人が多く、国や都道府県、市町村が失業対策事業にしっかりと取り組むことを切に願う」と訴え。大久保修一弁護士は「東京都や新宿区に対し、相談会を行う年末年始は公的な支援窓口を開けてほしいと再三要求したが、対応してもらえなかった。公的支援は昨年度より後退し、自治体任せ。豊島区など頑張っている区にしわ寄せが集中している」と指摘しました。

(東京民報2022年1月16日号より)

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