羽田空港の増便を名目に、都内各地の上空を低空で飛行する新飛行ルートをめぐって、北風時の離陸ルートの直下にあたる江戸川区で、上空の飛行回数が2020年は前年度の2・4倍に急増したことが分かりました。朝方の飛行回数が激増しており、「静かな朝を返してほしい」という切実な声が広がっています。
江戸川区が区内の清新町コミュニティ会館で行っている騒音測定の集計結果を10月末に公表し、明らかになりました。
江戸川区上空は以前から、南風悪天候時の着陸便のルート下となっています。このルートの飛行回数は19年度8451回、18年度5306回でした。

20年は南風着陸便が3268回、北風離陸便が2万195回飛んだことで、合計で2万3463回と、前年度比2・4倍になりました。なかでも、朝7時から8時までは、124回から3038回に激増しました。
同区選出の原純子都議(日本共産党)のもとには「毎朝7時に起こされる生活が続いて、生活が壊された」「コロナで減便していてもこの状態では、今後どうなるのか」などの切実な声が寄せられているといいます。
原都議は「私自身も急増に驚いています。CO2の排出量の多い飛行機は、気候対策のうえでも増便より減らすことが重要です。静かで穏やかに住み続ける権利が奪われており、区や都は国に運用停止を求めるべきです」と話します。
(東京民報2021年11月21日号より)