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【アーカイブ】高輪築堤 残す英断が後世のために 専門家を招き講演会〈2021年12月26日号より〉
- 2022/2/18
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- 港
日本最古の鉄道遺構「高輪築堤」の全面保存を求めることの重要性を学ぶ講演会が18日、慶應義塾大学の三田キャンパス(港区)で開かれました。主催は東京都歴史教育者協議会、共催は高輪築堤の全面保存を求める会、後援は一般社団法人日本考古学協会です。
開会のあいさつで、慶応義塾大学経済学部の大西広教授は、JR東日本が事業費約5500億円規模で進める「品川開発プロジェクト」により世界遺産級の文化財が破壊されていることについて、「私たちにとって重要なのは、文化的な住環境を守ること」と強調。全面保存を求める会の菊池久共同代表は、JR東日本に対し「最後まで全面保存を訴える」と意気込みました。
最初に、昭和女子大学・放送大学非常勤講師、習志野市文化財審議会会長の山岸良二氏が「モース先生と日本考古学発祥」について講演。アメリカの海洋生物学者、エドワード・S・モース氏(モールス発信機発明家のサミュエル・モールスの親戚)は、「シャミセン貝」研究のため明治10年に来日。鉄道に乗り横浜から新橋に移動中、大森の停車場で貝の堆積塚を発見しました。大森貝塚と名付けられ、日本考古学発祥の地として現在も親しまれています。
モース氏は、大森貝塚から発掘された土器に「縄文土器」と命名。この縄文の姿を大きく変えた遺跡が、青森県にある山内丸山遺跡です。山内丸山遺跡は、2002年のサッカーワールドカップに向けて試合を誘致するための建設予定地に出土。県は建設を中止し、今では年間に100万人以上が訪れる観光地となっています。
山岸氏は、「遺跡を残す英断が後世のプラスになる」と主張。「世界遺産クラスの鉄道遺構を壊すことは、日本の恥になるだろう」と語りました。