―昨年夏の都議選では、市議3期目の途中での出馬で見事、清水ひで子都議からのバトンを継ぎました。

立候補表明をしたのは、選挙のわずか半年前で、浸透をはかるために宣伝に力を入れました。街頭では身近な課題を分かりやすく、自分の気持ちを込めて訴えました。痴漢被害をなくす話をすると、女性から手振りがあったりして、手応えを感じられるようになりました。
ネットやSNSを通じてもオリンピックや新型コロナなどを発信しましたが、「感染が広がっているのに、保育園に通わせてもいいのか」「五輪を開催するのか」といった声が多く寄せられました。
共産党は自分たちに何をしてくれるのかという真剣なまなざしを感じました。
最後までどうなるか分かりませんでしたが、たくさんの支援をいただき清水ひで子都議のバトンをつなぐことができました。
―都議会の感想は、いかがですか。
知事がコロナ対策の補正予算の専決処分を乱発し、直近の議会に諮るという議会のルールさえも破り、五輪を優先したことには、びっくりしました。市議会ではあり得ないことでした。都知事の議会軽視の姿勢を目の当たりにしました。
都議会では文教委員会の所属となりました。特別支援教室の教員削減の問題や、特別支援学校に通う医療的ケア児の専用車両の充実を求めて質問しました。子どもたちや保護者の切実な声を届け、前進できた部分もあるので、うれしく思っています。
医療的ケア児の専用車両は4年前に運行が始まり、ケアが必要な子どもたちがやっと通学できるようになりました。ところが、装着している医療機器が都のガイドラインから除外されていたために乗車できない児童がいました。質問で取り上げ、乗車できるようになりました。また、吸入などの措置ができる看護師や保護者の同乗が必須とされているために、コロナ禍の影響で看護師が確保できずに自己負担で福祉タクシーを利用せざるを得ない状況です。経済的負担から通学を控える実態もあり改善を求め、「検討する」と答弁がありました。市議時代にも増して、都民の要求や願い、運動がとても多く心強いです。
―今年の抱負を。
病弱児が高校に進学したくとも、都立小児総合医療センター内の分教室(院内学級)には高等部がないという声も聞きました。子どもたちにとって教育は生きる糧になっています。市議時代には出会うことがなかった子どもたちの声を都議会に届けられることには、とてもやりがいを感じます。子どもたちの学ぶ権利が守られる都政にするために、少しでも力になれたらと思っています。
アオヤギ有希子都議の横顔
出身地は豪雪地帯で知られる福島県奥会津の金山町。大学も同県郡山市で、地元での就職を希望するもかなわず、引きこもりぎみに。そんな時に神山悦子福島県議と出会ったのが、共産党に入るきっかけになりました。八王子市内の医療機関に就職が決まり、その後、日本民主青年同盟の専従を経て2011年、八王子市議に初当選。全会派の賛同を得て産休を取得した初の市議ともなりました。
都議当選後は帰宅が遅くなるため、夫も家事育児を担います。都議になって一番の変化はよく歩くようになったとのこと。新宿駅から都庁までの道すがら、おいしそうな店を探訪するのが楽しみとか。
(東京民報2022年1月30日号より)