命脅かす2割化中止を 75歳以上医療費 保団連が署名提出集会〈2022年3月27日号〉

 原則1割となっている75歳以上の医療費窓口負担が10月から2割に引き上げられる改定法の施行中止を求めて17日、医師と歯科医師で構成される全国保険医団体連合会(保団連)が署名提出集会を開きました。参院議員会館(千代田区)の会場と全国約40カ所をオンラインでつなぎ、約100人が参加。「75歳以上の医療費窓口負担2倍化は中止を!」と書かれたアピールカードを掲げながら、全国で集めた1万4911人分の請願署名を国会議員に手渡しました。

保団連が全国で集めた署名を受け取る、日本共産党のたけだ良介参院議員(左から4人目)=17日、千代田区

 先の見えないコロナ禍で多くの人が経済的な困窮に陥り、医療や介護の受診・利用控えが増加。そのような状況下にも関わらず、政府は75歳以上で年収200万円以上(単身)、年収合計320万円以上(複数世帯)の約370万人を対象に、10月から医療費窓口負担の2倍化を計画しています。保団連はさらなる受診抑制につながり、高齢者の命を脅かすことになると危惧。2割化の中止法案を提出、成立させること、中止による減収300億円の予算案組み替え・修正を求めて署名活動に取り組んできました。

 住江憲勇会長が開会あいさつで、ぜい弱な日本の社会保障制度に言及。「政府は社会保障の給付削減、医療提供体制の縮小を国民に突き付けている。市民と野党の共闘を発展させ、国会の勢力地図を書き換える必要がある。頑張りましょう」と激励しました。

 武村義人副会長が、保団連の取り組みと請願署名の意義について基調報告。「2割化法案は新型コロナで医療現場が大混乱している昨年6月に成立した。署名は憲法16条(請願権)に国民の権利としてうたわれている。夏の参院選を前に、ここで闘わなければ2割化を延期できない」として、署名の協力を求めました。

医療難民の増加に警鐘

 各地区からの発言で、静岡県保険医協会の山田美香副理事長は「自民党員の患者も怒っている。支持政党に関係なく署名に協力してもらえると確信している」と発言。埼玉県保険医協会の渡部義弘副理事長は「2割化法案は自動販売機でジュース1本も買えないような額を現役世代の負担減と言い、高齢者との世代間対立をあおっている。しかし結果として政府の社会保障負担が減るという、理解できない現象が起こっている」と憤りました。

 兵庫県保険医協会の川西敏雄副理事長は「社会保障を充実させることで国民の将来への不安が解消され、消費が活性化される。今こそ医療・社会保障の拡充が必要」と指摘。保団連の森元主税副会長は「今後、窓口負担2割を強いられる対象者が、拡大していく可能性もある。阻止しなければとんでもないことになる」と危険性を語りました。

 宇佐美宏副会長は閉会のあいさつで、窓口負担が2割になると、75歳以上の約3割が受診を控えるという調査結果を報告。「結果として医療難民が増えるだろう」と推測し、「社会保障の充実を求め、保団連は闘い続ける」と決意を語りました。

 集会には、立憲民主党と日本共産党の議員が参加。日本共産党のたけだ良介参院議員は、「政府は病床削減や病院の統廃合も進めようと打ち出している。根本から変えなければ、国民の命や暮らしを守る政治の責任は果たせない」と発言。同党の田村貴昭衆院議員は「受診抑制は命につながる。食料品や光熱費などの値上げが続いている情勢で、医療費を上げ、4月から年金支給額を下げるとしながら、年金受給者に5000円の給付を検討しているという。そもそも年金を下げるな、消費税を5%に引き下げろと、怒りを持って声を上げていく」と力を込め、連帯の意思を示しました。

〈東京民報2022年3月27日号より〉

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