コラム砂時計 「や党」でも「ゆ党」でもない〈2022年4月10日号より〉

 

 「ゆ党」という言葉を久しぶりに目にした。岸田内閣が提出した22年度予算案に立憲民主党、共産党、日本維新の会が反対、国民民主党が賛成し、成立したことをめぐり国民民主党は「野党」ではなく、「ゆ党」だと皮肉られている。この表現は1996年の橋本龍太郎政権当時、連立政権に加わらず、かといって対決するでもない政党に対して、「や(野)」と「よ(与)」の間にあることから「ゆ党」と呼ばれたのが初めてである。

 その後、2016年1月30日の衆院本会議では、後に日本維新の会(以下、維新)と党名を変更する「おおさか維新の会」の馬場伸幸幹事長(当時)が、「私たちは与党ではない、野党でもない」との態度を表明した。

 新年度予算案に反対したからといって、維新=「ゆ党」といえない理由がある。維新は今年に入ると、「非核3原則」の見直しと「核兵器の共有」を声高に叫び始めた。松井一郎同党代表が、ロシアのウクライナ侵攻を受け、「『核共有』についても議論をタブー視してはならない」と述べている。この発言は、安倍晋三自民党元総裁が2月27日、フジテレビに出演して語ったことをそっくり受け継いだ形だ。

 一方で自民党の安全保障調査会(小野寺五典会長)は高市早苗政調会長の「核持ち込ませず」を見直すように、との意を受けて議論したが、「核配備した基地が攻撃対象になる恐れが高い」として、核共有は当面採用しないとする方針でまとまった、と報道された。

 このように見てくると、将来、自民・維新が合体するようなことがあれば、維新には、安倍派に入りそうな議員が相当数いるのではないか、と思われる。敵基地攻撃では、岸田政権と歩調を合わせ、核共有では、自民党の最右翼と気脈を通じている点で、日本維新の会は、「ゆ党」などではなく、政権党にとってありがたい「太鼓持ち」といえそうだ。

(阿部芳郎・ジャーナリスト)

(東京民報2022年4月10日号より)

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