税金で美しい景観壊すな 神宮外苑再開発 山添議員ら現地調査〈2022年4月24日号〉

 1000本を超える樹木を伐採し、高層ビルなどを建設する神宮外苑(新宿、港、渋谷区)の再開発問題で、日本共産党の山添拓参院議員は12日、地域住民らの案内で現地調査を行いました。同党の原田あきら都議、港区議団が同行しました。

住民「国会でも追及を」

住民から話を聞く(左3 人目から)原田、山添の各氏と日本共産党港区議団のメンバーら= 12 日、港区

 再開発計画の対象となる神宮外苑地区の広さは約28.4 ヘクタールで、「風致地区」として開発の規制がかけられ、景観と環境が守られてきました。ところが東京オリンピック開催を名目に始まった国立競技場の建て替えを機に、規制緩和エリアを拡大し、超高層ビル建設などの計画が進められてきました。しかし、都民にはほとんど計画が明らかにされないまま今年3月、都は再開発を認める都市計画決定を行いました。

 案内したのは市民団体「新宿外苑の緑と空を」の角井典子さんら。一行は青山通りを背に、外苑のシンボル的存在のイチョウ並木を歩き出しました。長さ約300メートルにわたって新緑が芽吹く146本のイチョウが真っ直ぐに並びます。参加者から「本当に絵画のようだ」との声が漏れました。

そびえ立つ超高層ビル

 再開発計画では、ホテル併設の高さ60メートルの野球場が、このイチョウ並木に隣接して建設され、スタジアム通り、青山通り側には規制緩和で高さ185メートルと190メートルの高層ビルがそびえ立つことになります。

 山添氏らは超高層ビルをイメージして首が痛くなるほど空を見上げ、日照の影響なども確認しました。角井さんは伐採されるイチョウは一部でも、美しい景観や環境は一変すると説明。4列のイチョウ並木と同じ新宿御苑のイチョウの種から育てられた、言わば「兄弟木」として外苑に植栽された18本のイチョウも伐採されると紹介しました。

 原田都議は超高層ビルを建設するために必要となる容積率確保のために、過去に例を見ない対応を東京都がとったことを追及したと紹介。JSC(日本スポーツ振興センター)が現在のラグビー場として所有する土地を国の許可も得ずに、明治神宮が所有する土地と入れ替える計画になっていると指摘しました。

 山添氏は「都市計画で土地を自由に切り売りできるあり方でいいのか問題がある」と語りました。角井さんは「神宮外苑の計画は、情報公開もなく、非民主的な進め方をしている」「JSCは国民の税金が入った機関だ。国会で追及してほしい」と要望。山添氏も「国をた
だしたい」と応じました。

 一行は伐採予定の樹木を確認しながら、広々とした芝生越しに聖徳記念絵画館が見渡せる神宮軟式球場の周辺へと移動。市民が楽しめるテニス場をなくす一方で新設される会員制テニスクラブの屋内テニス場棟(高さ15メートル)や、高さ55メートルのラグビー場が景観に与える影響を確認しました。

樹木伐採が温暖化を促進

神宮外苑のシンボル、イチョウ並木の景観も一変する

 国立競技場周辺では、建て替えの際に3年前に移植された樹木を確認。外苑地区の再開発では現存する樹木合計1381本のうち「存置340本、移植70本、伐採971本」(環境影響評価書案)と、1000本以上が伐採や移植される計画です。

 同地区は開発後、年間4万7000トンものCO2(二酸化炭素)が発生し、これを森林で吸収するには新宿区3つ分の面積の杉林が必要になります。角井さんは再開発工事が13年間に及び、現存の樹木を伐採するのに加え、工事中の二酸化炭素の排出量が考慮されていないことに不安を示しました。

 原田都議は建物脇やデッキ通路などに植栽されている樹木を指さし、「都は緑地を増やすというが、樹齢100年の木を伐採する替わりに、これらを緑の面積の中に入れている」と指摘。角井さんは葉が黄変したり、樹皮が痛んだ樹木を示し、「専門家も移植は難しいと言っている。移植の影響かどうか、いずれ分かるのではないか」とのべました。

意見聞く会でも見直し求める声

 神宮外苑地区の再開発をめぐって都は15日、環境影響評価制度に基づく「都民の意見を聞く会」を開催。参加者からは「近隣住民にとっては住環境への多大な影響があるものにも関わらず、それに見合うような周知努力、広報活動が全く見られていない」「周辺住民として、事業者から真し ん摯し な対応されてるとはいっさい感じない」「先人の知恵と努力によって継承された100年の杜もりは、失われればもう二度ととり戻すことはできない」「現在の美しい景観という財産を残すよう努力することが賢明なまちづくりではないか」など、情報を公開せずに計画を進める都への憤りや、計画の見直しを求める声が相次ぎました。

 計画見直しを求めるオンライン署名「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」には17日現在、 5万 75000人以上が賛同を寄せています。

〈2022年4月24日号より〉

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