【書評】憲法と人権守る珠玉の記録 『自由法曹団物語―人間の尊厳をかけてたたかう30話』 自由法曹団 編

 自由法曹団とは、大正時代に労働争議の弾圧に対する調査団が契機となって結成された弁護士の団体です。

 2021年に100周年を迎え、記念として発行されたのが本書です。2002年に刊行した『自由法曹団物語―世紀をこえて(上)(下)』の続編で、主に21世紀に入ってからの20年間の裁判闘争や国民のたたかいが描かれています。

日本評論社 2021年
2530円 (税込)
じゆうほうそうだん 1921年に神戸における労働争議の弾圧に対する調査団が契機となり、結成された弁護士の団体

 物語となっていますが、つくりものでなく、そこには、憲法を守り、人間の尊厳・人権、暮らし・平和を守る真実の珠玉の記録が書かれています。

 30話すべてを紹介できませんが、アフガン戦争・イラク戦争NOなど憲法と平和を守る弁護士と国民の運動、えん罪根絶のたたかいを切り開き無罪を勝ち取った布川事件、障害児の権利と心を守る都立七生養護学校での性教育をめぐる裁判とたたかい、「いすゞ」による1400人の非正規切りや夫の過労死と妻たちのたたかい、東日本大震災からの復興・原発ゼロなど市民の命と人間の尊厳を守るたたかい…。どれも貴重な記録です。

 裁判は簡単ではありませんが、その記録には不正を許さない弁護士と国民との素晴らしい団結の姿があります。

 憲法を無視する自民党・公明党の悪政が続く中で、暮らし・平和が脅かされており、どんな災難が国民一人ひとりに襲い掛かってくるかわかりません。

 私たちにとって民主的な弁護士は強い味方です。本書を読み、国民のたたかいの大切さと共に、自由法曹団の弁護士の組織と活動の強化・発展を願わざるを得ません。

 本書の第5部「立ち上がる市民と法律家の群像」では、「あすわか」(明日の自由を守る若手弁護士の会)などの活動も紹介されています。

 法曹界の人たちや法律家を目指している若い人々はもちろん、憲法を守り、自由と民主主義を願う多くの国民に読んでほしい一冊です。

 憲法改正の策動が強まっている時節柄、九条を守るたたかいの指針ともなるものです。(柏木新・話芸史研究家)

(東京民報2022年2月20日号より)

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