東京都労働委員会(都労委)が国立ハンセン病資料館を受託・運営する笹川保健財団に対し、労働組合活動を理由に組合員2人の雇止めなどでの不当労働行為を認め救済命令を出した問題で、同財団が命令を無視していることが5月29日に労働組合が開催した集会で明らかになりました。
同財団は中央労働委員会に不服申し立てをしていますが、都労委の命令は交付の日より効力を有しています(労働組合法第27条の12・4)。都労委命令の主文には、▽(組合員2人を)令和2年4月1日採用したものとして取り扱わなければならない▽一部略(同財団は)新聞紙2ページ大の白紙に「不当労働行為について」を楷書で墨書し同資料館の職員の見やすい場所に掲示しなくてはならない―旨が記されています。
しかし、同財団は命令を無視し、組合の団体交渉も都労委に指導されるまで行わないという姿勢も見せました。国が所有する「人権の砦」で起きている人権じゅうりんと、労働を管轄する厚生労働省の運営する施設での不当労働行為、法令無視の横行は異常事態です。