【健康コラム】回復12カ月後 約3分の1に罹患後症状 最善の治療法の研究が緊急に必要〈6月26日号より〉
- 2022/6/21
- コラム・オピニオン
感染が見えないねえ。
コロナの主な伝播経路が空気感染で感染者20~45%は無症状からかなあ。
回復なら、ま、いっか。
とはならないんだねえ。
回復後も長期に持続する症状(後遺症/罹患後症状)があり、深刻です。
国内初めての最大規模罹患後症状の調査(27施設、期間2020.1-2021.2)です。(慶應大 2022.6.2)
対象は入院治療した18歳以上1,066人。結果は。
“診断12カ月後、約3分の1(33%)に一つ以上の症状が残存していた”
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罹患後症状を多い順で。
倦怠感13%、呼吸困難9%、筋力低下8%、思考力集中力低下8%、記憶障害7%、睡眠障害7%…。
“診断3カ月後に症状が一つでもあると健康関連の生活の質低下、不安やうつ傾向、睡眠障害が増強、労働生産性の低下を感じる”
わかってきた仕組みがこれです。(BMJ 2021.7.26)
“ウイルスは複数の臓器の細胞内に侵入して機能を損傷、最終的に多数の持続的な症状を引き起こす”
感染時の初期症状が軽くても可能性あり、です。
軽症だった医療従事者の長期症状の検討です。(JAMA 2021.4.7)
“8カ月後も1割で多様な症状が長引き、仕事、社会生活、家庭生活に支障をきたしていた”
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感染非入院の患者の15カ月後、多くになおも罹患後症状が続く。(Ann Clin Transl Neurol 2022.5.24)
報告者はいう。“最善の治療法研究が緊急に必要”
臨床経験の集約と意見を繰り返して治療法を提言推奨(BJGP 2021.10.28)、罹患後症状131項目の評価尺度の作製(BMJ 2022.4.27)、厳密な方法で臨床試験開始と根拠に基づく最新治療の専門施設設置(MDLinx 3.29)もそう。
この国の政権の対策は?
心ここに在らず見ずのなりゆき任せ、自助でどうぞだってさ。
(上野敏行)
(東京民報2022年6月26日号より)