「街の破壊、痛ましい」北区十条 助73号線控訴審始まる 〈2022年7月10日号〉

 北区十条の住民ら原告60人が国と東京都を相手取り、北区上十条2丁目から十条仲原2丁目に約895㍍(幅員20~30㍍)の道路を新設する都市計画道路・特定整備路線補助73号線道路事業の認可取り消しを求める控訴審の第1回口頭弁論が6月28日、東京高裁で開かれました。

報告集会で説明する大谷弁護士(右から2人目)=6月28日、北区

 同行政訴訟は昨年12月13日に第1審判決があり、原告120人が敗訴。新たに60人が原告になり、原判決の問題点について争う構えです。

 法廷では、都内三大商店街のひとつである十条銀座商店街でスーパーを営む原告団長の岩波建光氏と、弁護団の大谷恭子弁護士が意見陳述しました。

 十条地区は「街づくり」と称して補助73号線の新設にあわせ、「十条駅西口地区市街地再開発事業」、補助85号線の拡幅事業が進行。これにより約600軒、2100人の住民が立ち退きを迫られています。

 岩波氏は「団長を引き受けた以上、住民を守る責任がある。絶対に後には引かない」と強調。裁判官に対し「十条に来て、これが街づくりか、街壊しか見てほしい」と訴え、最後に「立ち退きのフェンスだらけの街壊し」と自作の俳句を詠みました。

 大谷弁護士は、控訴理由書を補足する形で、都市計画決定の判断基準について1審判決が最終決定時の2003年としたことに反論。本件の事業認可決定がなされたのは2015年で、都市計画が決定した1946年から約70年経過しており、「社会情勢の著しい変化に目をつむり、ご都合主義的な判断」と主張。自身も十条の住民として、「街の破壊を痛ましく思う」とのべました。

 閉廷後の報告集会では、控訴理由書の内容や法廷での意見陳述について大谷弁護士が解説。2審の争点は▽都市計画の違法性の判断基準がいつか▽都市計画の違法性の判断枠組み▽不燃領域率は47.6%に向上しており、防災対策として道路の必要性は高くない▽人口減少に転じることから、交通の円滑化を目指す必要性がない▽補助73号線建設予定地内にある2400平方㍍強の国有地を民間の不動産会社に売却して住宅地にしており、行動が不合理―などを主張していくとしました。

 岩波氏は「結論から言うと、立ち退かないのが勝ち。どんと構えましょう」と檄を飛ばしました。

 5月17日に東京地裁で敗訴した「十条西口再開発裁判」が、原告6人で控訴したことも報告。原告団長の榎本敏昭氏は、「再開発の工事は進行している。控訴は73号線の裁判にどれだけよい影響を与えることができるのかがポイントになる」と語りました。

 補助73号線控訴審第2回口頭弁論は、9月16日に開かれる予定です。

〈東京民報2022年7月10日号より〉

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