「よし、今度は港を横断するぞ」。威勢のいい掛け声とともに、岸壁から勢いをつけてダイブ、日焼けした体が一瞬、空を飛んだ。後を追って何人かが飛び込み、先に飛び込んでいた子たちと、遠く対岸に向かって泳いで行き、やがて点のように小さくなって見えなくなった。さすが海の子、すごい。波浮の港は今、夏真っ盛り。
波浮は、「伊豆の踊子」の舞台となったところ。湾は湖のように静かで美しい。岸壁のスピーカーから「波浮の港」の曲が流れてきた。
来年3月まで、伊豆大島で宿泊すると、都の復興支援で1泊3000円、2泊6000円の補助がある。活用を。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2015年8月2日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します