政府が22日、安倍晋三元首相の国葬を行うと閣議決定しました▼法的な根拠もないまま、国会で議論することさえせずに閣議決定で押し進めようとしています。コロナの爆発的拡大のもと、「民主主義を踏みにじる国葬より、国民の命にこそ向き合え」と反対が広がっています▼銃撃は許されない暴力であるとともに、その容疑者の置かれた境遇を契機に、改めて光が当たった、カルト宗教と政治との関わりは解決が必要な課題です。旧統一協会は、「反共産主義」の実働部隊として、また、家族やジェンダーをめぐる歪んだ価値観を共有する勢力として、自民党などの一部の政治家と結び付き、互いに利用し合ってきました。選挙での動員や、献金など、両者の深い関わりがこの間も明らかになっています▼安倍氏が、統一協会の関連団体の集会に、21年9月に送ったビデオメッセージでも「(団体が)家庭の価値を強調する点を高く評価」すると表明。「偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう」と呼びかけていました▼高額な献金の強要や、霊感商法で、多くの被害をもたらしていることを知りながら、カルト集団を利用し、利用されてきた自民党と周辺の政治家たち。日本政治の闇を徹底解明する時です。
〈東京民報2022年7月31日号より〉