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- 【書評】ラクに壁超え寿命伸ばす 『80歳の壁』和田秀樹 著
日本人女性の平均寿命が80歳を超えたのは1990年です。そして2020年のそれは87・74歳で90歳に近づいています。1950年の女性の平均寿命は61・5で、この70年間に25年ものびたことになります。
さらに「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、2019年で女性75・39歳となっています。これは世界トップレベルであり、日本の高齢化は歴史上未知の世界に入り、どの国も経験した事のない超絶高齢化社会に突入していくことになります。
65歳の「定年」まで企業で働いたとしても、退職後20年以上も「老後の期間」があります。20年は計画的に行えば一仕事できる時間でもあります。実はこの20年近くを「どう生きるか」というテーマを正面から取り上げたものは多くはありません。高齢者の医療・保健や介護、年金等についての議論はかまびすしくありますが、どれも「大変だ!大変だ!」という議論ばかりです。
しかし、高齢者の多くは元気でやる気があるのです。しかも長年培った知恵があります。この高齢者のパワーを社会に生かさない手はありません。この点で、この本は、「80歳の壁を超えたら人生で一番幸せな20年が待っています」と積極的にとらえます。