都内区市で初 葛飾区 学校給食を無償化へ〈2022年9月18日号〉

〈クローズアップ地方選〉住民の願い実現を

 「子どもの貧困」が社会問題化する中、公立学校の給食費無償化を求める声が高まっています。コロナ禍での物価高騰で家計が深刻化していても、いっこうに政府が動こうとしない中、住民の声に応えて独自に無償化に踏み出す自治体が広がっています。青森市(10月実施)に続いて葛飾区が来年4月から都内区市で初めて完全無償化に踏み出します。「足立っ子給食費無償化ネットワーク」(横田真美子代表)は、足立区でも無償化をぜひ実現したいと署名運動に取り組み5日、1456人分を区議会に提出しました。来年の統一地方選挙でも一大焦点になると見られます。

共産党が繰り返し提案

都内の小学校の給食風景(本文とは関係ありません)

 葛飾区の青木克德区長は7日、区立小中学校の給食費を来年4月から完全に無償にすると表明しました。「学校給食を安定的に供給することで、児童及び生徒の心身の健全な発達を促すとともに教育環境の一層の充実を図ること」を目的とし、予算は従来の公費負担分約7億円を含む総額約17億円を見込みます。

 この間、都内各自治体では、共産党議員団と保護者が連携した取り組みなどで、多子世帯減免やコロナ禍での物価高のもとでの給食費の保護者負担軽減が各地で実現してきました。都内では奥多摩町、檜原村、利島村、三宅村、御蔵島村の1町4村で完全無償化を実現していますが、人口の多い区市では初めてです。

 同区の給食無償化を巡っては、日本共産党区議団が「義務教育は無償」の立場から繰り返し求め、財源も示して実現可能だと要求してきました。しかし、区は「学校給食法では給食食材は保護者負担が原則」との法解釈をたてに拒んできました。

 そうした中で2013年度には多子世帯第3子などへの無償化、14年度には就学援助の対象に給食費を追加させるなどしてきました。今年6月の一般質問でも給食の無償化を提案し、区教育委員会は「すでに公費による学校給食費の負担軽減を行ってきた」「さらに今年度は現下の社会経済状況を踏まえ、保護者の負担が増えないよう、公費補助の増額も行った」と答弁。その上で「引き続き保護者の負担増にならないよう対応を図ってまいりたい」と述べていました。

 共産党区議団の三小田准一区議は「粘り強く無償化を求め、給食無償化へ一歩一歩前に進めてきました。あきらめずに区民の声を議会に反映してきたことが、区政を動かす力になりました」と話しています。

食材費補助 文科省否定せず

 国会でも日本共産党は給食の無償化に向けた論戦を進めています。葛飾区が従来、完全無償化しない理由としてあげていた、学校給食法にある「学校の経費の負担区分で給食食材費は保護者負担が原則」としていることに関連して、文部科学省は、自治体が全額補助することは否定していないことを日本共産党の吉良よし子参院議員の答弁で確認しています。  

関連記事

最近の記事

  1. 杉並区 予算案を可決  杉並区議会は18日、岸本聡子区長が提案する2024年度一般会計当初予…
  2. 1面2面3面4面 【1面】 全盲の学生 「自分の力で通学したい」 大学前に音響信号ついた…
  3. 日本記者クラブで講演=3月19日、千代田区  新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただい…
  4.  自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は…
  5. 都庁の第庁舎に映し出されたPM映像  都が2月から新たな観光資源にするとして都庁舎の壁面に映…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る