【健康コラム】感染2年後も精神・認知障害の危険 接種しても予防策は重要〈9月25日号より〉

 秋だねえ。月日は百代の過客にして、なんてさ。

 コロナもかなあ。減少あっても終わりが見えない。

 無事生還ならよしとするか。いやいや感染(罹患)後、長引く症状や新たな出現症状ありだから。後遺症(罹患後症状)です。

 気になる頻度はどうか。

 住民76,422人を追跡、診断後90―150日の罹患者について非感染者、感染前の症状を比較検討すると。(Lancet 2022.8.6)

 “後遺症(胸痛、筋痛、嗅覚障害、倦怠感など)は12.7%に生じていた”

 ウイルスは変異し置き換わり感染拡大です。伴い新たな後遺症も表れてきて。

 神経系・精神系後遺症がそう。診断後2年間追跡、罹患者1,284,437人(62施設)解析です。(Lancet Psychiatry 2022.8.17)

 非感染者と比較して。

 “後遺症の気分障害、不安障害は診断後1―2カ月で元に戻った。認知障害(ブレインフォグ=頭に霧がかかったような状態)、認知症、精神病性障害、てんかんは追跡終了2年時点でも発症率が上昇した”

 報告者はいう。“認知障害など長期間持続の可能性がある。これら後遺症の診断、保健サービス提供の強化・継続の必要がある”

 芭蕉は病気予防の旅支度に、三里に灸すゆる、と。

 我らはワクチンで予防だよね。感染(ブレークスルー)が目立つけれども。

 そのさい後遺症発症は?

 接種後に感染の罹患者33,940人の診断6カ月時点の検討です。(Nature Medicine 2022.5.25)

 “接種なし感染者と比較し、後遺症発症は少ない”

 “非感染者との比較では死亡も後遺症も多かった”

 接種しても感染予防策の実施が重要なんですねえ。

 罹患者の初回検査陰性は平均8―9日、10日目までマスク着用が必要。(JAMA Netw Open 2022.8.3)

 根拠なし政治的理由緩和策は危ない。

(上野敏行)

(東京民報2022年9月25日号より)

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