2023統一地方選 共産党予定候補 挑戦への思い 八王子市 わたばやしゆかさん「ニーズくみ、支援に道すじ」障害者施設職員から候補に

▼わたばやし・ゆか(綿林夕夏)さんの略歴 1991年長野県上田市生まれ。2015年、法政大学キャリアデザイン学部卒。都内の社会福祉法人に就職。八王子市内の知的障害者施設で支援員として7年間勤務。20年9月日本共産党に入党。現在、日本民主青年同盟の東京都委員、共産党八王子地区若者雇用相談室長。趣味はファンタジー系の漫画、小説の読書

 「初めて投票した政党は、どこだったかなー。学生寮の先輩から『一番まともだよ』と聞いていた、共産党だったと思います。たぶん」。こう言って「ふふっ」と笑うのは、来春の八王子市議選(定数40)に日本共産党(前回当選4人、現有3人)から立候補を予定する、わたばやしゆかさん(31)です。政治に特段の関心は持たずに学生生活を送った“ごく普通”の若者でした。

 わたばやしさんの中学、高校時代は、部活の吹奏楽部(バスクラリネット)に明け暮れる日々でした。そんな中でも、受験勉強のために部活を辞めざるをえなくなった友人たちを見るにつけ、力になれなかったことを悔やむ優しい心を育てていました。

 その優しさは知的障害者施設という福祉の道に飛び込む下地にもなりました。大学4年の夏、就職先が決まらず、いろいろ思い悩んだ末、「障害のある人もない人も自分らしく生きられる社会を」という設立理念にひかれ、都内の社会福祉法人に就職。職場は言葉でのやりとりができない重度の知的障害者や発達障害のある人たちの入所施設でした。

 「最初は戸惑いました。接していくうちに表情や態度でどういう気持ちなのか、私たちに何をしてほしいのかが分かるようになりました。表情で意思が伝わった時には、涙が出るほどうれしかった」

 7年間、多くのことを施設で学びました。「情報提供の仕方、どれぐらい理解できるのか、興味のあることは何なのか、一人ひとり違います。私たち支援員の理解が深まるほどに入所者の生活を豊かにすることができることに気がつきました」

検査しない政治本気で変えたい

 しかし現実は慢性的な人手不足で、余裕はありませんでした。そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスでした。「緊急事態宣言まで出しているのに、国も都もPCR検査を広げようとしない。施設で一人の感染者が出たら全体に広がってしまう」

 危機感を募らせる中、巡ってきた都知事選(2020年7月)。「PCR検査をちゃんと進めてくれる人に都知事になってほしい」。野党統一候補の宇都宮健児氏を勝たせたいと本気で思いました。

 都心の選挙事務所まで2時間近くかけてビラを受け取り、八王子市内で一人、ポスティングするという行動を起こします。「都心は大変なので、市内の共産党事務所にもビラはあるだろうと思って連絡しました」。共産党との初接触です。

思っているだけでは変わらない

 「選挙結果は残念でしたが、政治を変えたいと本気で考えるようになりました。一人で頑張るには限界も感じました」。わたばやしさんは、共産党を応援するツイートなどをよく見るようになります。「『共産党に入りました』っていうツイートをよく見かけたし、ツイキャス(動画ライブ配信)をしていた人からも勧められました。思っているだけじゃ変わらない。入るだけでも共産党の力になるなら」

 わたばやしさんは共産党の八王子地区委員会に電話で、「入党したいんですけど」と告げました。電話に出た職員はもちろん大喜びです。ちょうど2年前の9月13日のことでした。

 わたばやしさんは、日本民主青年同盟にも加入し、都の役員になって活動の幅を広げます。そして昨年11月、都議になったアオヤギ有希子さんの後継に、との要請。「まさか、私なんかと思いました。1カ月悩みました。利用者のニーズをくみ取って、どう支援していくかの道筋を立てて実行していくのが支援員。市議は地域住民のニーズをくみ取って、実現するための道筋=政策を立てたり、条例を提案したりするのが仕事。自分にもやれるかもしれない」

 心残りのあった職場の上司に打ち明けると「応援するよ。後のことは心配するな」と、快く送り出してくれました。

ファンタジーで気持ちリセット

 「アニメマンガが好き」という、わたばやしさん。「進撃の巨人」や「本好きの下剋上」の大ファンだといいます。「ファンタジーが好きです。世の中の矛盾や差別の問題も考えさせられます。何よりいやなことがあっても、気持ちをリセットしてくれる」。

 夢を現実にするために、わたばやしさんはきょうも心を新たに、原稿をインストールしたスマホを手に、街頭に立ちます。

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