訓練中に受けた性暴力を実名で告発していた元自衛官の五ノ井里奈さんに、防衛省が29日、事実を認めて直接、謝罪しました。謝罪を受け五ノ井さんは、「認めるのが本当に遅い。加害者に直接謝罪に来てほしい」と語りました▼五ノ井さんは8月に、10万人分を超える署名とともに、第三者機関による公正な調査を求めていました。陸上自衛官であった2021年に複数の自衛官から性暴力を受け、自衛隊の警務隊に被害届を提出したものの当時は、証拠不十分で不起訴処分になっています。五ノ井さんは「あったことをなかったことにされた。どこかで誰かがこの問題を変えないと変わらない問題」と調査を求めた理由を語っていました▼勇気ある告発には、シスターフッド(女性同士の連帯)をはじめとした、さまざまな応援が広がりました。五ノ井さんも自身のツイッターで、「89歳のお姉様からお手紙頂きました」として、元教員で自身もさまざまな性被害を受けたという女性からの「貴女の実行力に拍手 御身大切に」という手書きのメッセージを紹介しています▼自衛隊内ではこれまでも、セクハラやパワハラ、いじめなどのさまざまな事件が起きています。今回の告発を、人権侵害一掃の機会にすることが求められています。
〈東京民報2022年10月9日号より〉