行革で公務現場に異常事態 雇用短期化でサービス低下 〈2022年10月16日号より〉

 生活する上で身近に足を運ぶ、市区町村の役所・役場や関連施設。今、そこで働く市町村の職員の勤務形態が大きく変質しています。「臨時職員が多い」というのは、過去の話。極めて高い秘匿性が要求される戸籍関係や、納税証明書など公文書の申請窓口職員が派遣労働者であるのも珍しくもありません。公立保育園の保育士や悪質商法の対応をしてくれる消費生活相談員が、会計年度任用職員という1年雇用であるのも日常です。最低賃金を下回る正規職員もいるといいます。全日本自治体労働組合連合(自治労連)書記長の石川敏明さんに現場の実態を聞きました。

自治労連書記長 石川敏明さんに聞く

地方公務員のおかれている現状について語る石川書記長

 2020年4月施行の地方公務員法の改定に伴い、主にパートタイムで働く非常勤の公務員が姿を消し、1年雇用の会計年度任用職員制度が生まれました。会計年度任用職員の身分は地方公務員法の適用を受け、それに伴う守秘義務や労働基本権の制限も生じますが、1年ごとの雇用契約。多くの自治体では3年で新規採用試験を受けなおすとの運用がなされます。総務省のマニュアルには「会計年度任用職員は公平を期すために公募が望ましい」とあり2回の更新までは公募を免除するが、3回目について公募を適用するとしている自治体が多いためです。

 石川さんは「事務の補助や、保育士、学童保育の指導員、相談員、司書など住民と身近にかかわる命と安全を守る仕事に多い」として、「慣れている人をあえてクビにするのでは、住民サービスは低下する。当事者のキャリアの形成も非常に難しく、職務の継続性が失われる」と強調します。また「賃金の面では公務員として一時金を出すようになったのは評価できますが、年間支給総額を増額せずに据え置いたままで一時金(期末手当のみ)を出すので月収が減っているケースがある」と訴えます。

保育士「育ちの見守り難しい」

 さらに「自治体によっては職務内容が正規職員と全く同じにも関わらず、勤務時間を15分縮めて実質労働時間を7時間30分というパートタイム扱いにして退職手当の対象から除外することも少なくない」と、使い捨てともいえる制度の問題点を指摘。制服支給がなかったり、正規より廉価の物を支給される処遇差別を行う自治体もあるといいます。

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