今や東京名物として定着した神田古本まつり。参加店は100店舗、出品点数は100万冊以上。全国各地から、さらには海外からも訪れる。探し始めると、次から次へと新しい発見があり時間を忘れてしまう。
デジタル時代といわれて久しいが、あのぬくもりのある紙の感触には代えられない。文字を追い、ページをくくり、次の展開に心躍らせる満足感は、書物によって得られるもの。
スーツ姿に年代物のリュックを担いだ山高帽の紳士が、背中の重さに耐え満足げに駅に向かっていった。
今年の開催は、10月28日から11月6日、朝10時から18時まで。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2016年10月23日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します