戦前の国会で治安維持法に反対、反戦平和を貫くなかで右翼に殺害された衆院議員、山本宣治の人生をたどるブックレット「唯生唯戦(ゆいしょうゆいせん)―山宣に学ぶ時代の生き方」を、東京山宣会が発行しました(写真)。
これまでのブックレットを一新し、10代後半の宣治が東京の街でどう思想的に育っていたのかや、最新の動向などを盛り込んだものです。唯生唯戦は、宣治が好んで書などに書いた造語で、「ひたすら生き、ひたすら戦う」などの意味が込められているといいます。
山宣没後90周年にあたる2019年3月に、東京山宣会の申請をもとに、山宣が刺殺された旅館「光榮館」跡地に、千代田区の「まちの記憶」事業の一環として、「山本宣治終焉の地(光榮館跡)」のプレートが立てられました。ブックレットの表紙には、このプレートの画像を掲載。さらに、一つの章を設けて、プレート設置の運動の経過や、設置を祝う除幕式の様子などを紹介しています。
また、「山宣ふかほり」と題したコラムも各章に掲載し「10代の宣治の思想形成」「ヴァンクーバーでの宣治」など、さまざまな側面から、その生き方に光を当てています。その一つ、「山宣を学ぶ中国の高校生」では、歴史教育者協議会の日中交流委員会による南京訪問(2019年)の際に、現地の高校生に行った授業の様子を紹介しています。
山宣の人生やその後の顕彰の活動の年譜や、東京での活動の関連地図なども掲載しています。
東京民報2022年10月16日号より