外環道地盤改良 鉄道に影響、懸念の声 運行時間に線路脇にヤード〈2022年10月23日号〉
- 2022/10/23
- 外環道
東京外かく環状道路(東京外環)の地下トンネル工事で、調布市東つつじが丘に地表陥没と巨大地下空洞を相次ぎ生じさせた事故から2年が経過しました。日本共産党の田村智子参院議員と同党都議団らは13日に現地を視察。事業者である国土交通省とNEXCO東日本から聞き取りを行うとともに、被害住民の声に耳を傾けました。
田村氏聞き取りに事業者
NEXCO東日本ら事業者は7、8日両日に地盤補修(地盤改良)工事の実施に向けての説明だとして、参加者を限定したオープンハウス(説明会)を実施。年内には移転済家屋の解体・除却を開始し、来春に地盤改良にも着工するとして工法などについて説明を行っています。
NEXCO東日本は田村氏らに対し、今回の地盤改良工事では地表から地中深部までバルブを差し込み、液状セメントを噴射する「高圧噴射攪拌工法」を用いて、幅16メートル延長220メートルほどの地中壁を作るとして、設備と資材運搬ルートなどについて説明しました。
計画はセメント液剤の製造や、排出した泥土を積載するプラントヤードを幹線道路沿いの住宅密集地に設置。プラントヤードから地盤改良工事現場までは、道路下に埋設したり入間川の上に渡すように設置した管路と中継ヤードを通じて運搬するというものです。
計画ルート上には車の通行がひっきりなしの甲州街道(国道20号線)や、京王本線の線路とそれに伴う鉄道設備などが存在します。事業者は東京民報の質問に対し「京王電鉄との調整は、現時点ではしていない」と明言しました。
通常、鉄道事業者は自社の駅上ビル建設工事でも、鉄道線路上や地下への道路築造工事においても、万が一の事故で運行に支障を生じさせてはならないとして鉄道運行時間を避けた深夜(午前1時から3時位まで)しか工事を行いません。しかし、NEXCO東日本は「本工事は管路敷設も含めて、午前8時から午後5時までしか行わない」と住民に説明済みであり、実現できない可能性があります。