【健康コラム】8波の変異の予測は免疫逃れか 後遺症、治療の主力は生活の質改善〈11月27日号より〉
- 2022/11/24
- コラム・オピニオン
事の始まりは中国湖北省武漢市から原因不明の肺炎2019.12.20として。
動物から人へ感染(人獣共通感染症)。その後、人から人へ。実験室関連からの可能性もあり、とか。
湖北省封鎖時2020.1.
23には世界中に拡大です。(Lancet 2022.9.14)
正体はコロナウイルス、変異を繰り返し、病原性・伝播力を変え、流行です。
8波変異予測はどうか。
“免疫逃避(免疫が効きにくくなる)によって広がっていく”(アドバイザリーボード 2022.10.20)
こりゃあ、手強いぞ。
感染後、長期に続く症状もそう。後遺症です。
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感染者22カ国120万人の罹患後3カ月の解析です。(JAMA 2022.10.25)
“後遺症は6%(一つ以上の症状経験)にあった”
“症状には疲労感(痛みや気分の落ち込みを伴う)3%、呼吸器障害4%、認知障害2%を含んでいた”
通常、症状は複数の臓器系に同時に表れ、就労能力や生活の質QOLが低下、洗濯や着替えなど日常生活動作も困難に。深刻です。
英国の後遺症事情です。(ONS 2022.10.6)
“推定230万人が4週間以上続く症状を経験。160万人の日々の活動に悪影響を及ぼしている”
いまも進行中です。
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この罹患後症状、不確実性が高く決定的治療法がない。にもかかわらず、多くの患者はプライマリケア医(家庭医GP)からの情報を重視し、家庭医は効果的に患者支援できるという。
英国の家庭医のための指針(臨床経験を集約、臨床医と患者が議論して作成)です。(BMJ 2022.9.22)
“患者の話をしっかり聞き持続症状を認める。治療の主力は支持的/生活の質改善めざす、全人的に”
“症状を管理して治療可能な合併症を見つけ、危険な兆候は緊急に専門医へ”
日本の個人任せ自助策とは違うねえ。
(上野敏行)
(東京民報2022年11月27日号より)