【 #Web東京民報 連載】東京わがまち 41 歳末のアメ横
- 2022/12/12
- WEB版連載
「本マグロ1000円だよ、1000円。えーい2さく1000円にしておくからもっていきな」と勢いのいいだみ声のお兄さん。公設市場の築地と違いアメ横は、値切れば安くなるか、おまけがついてくる。そのやり取りがまた楽しい。カニ、イクラ、カズノコなど正月食品を売る店が御徒町から上野にかけてびっしり並び、甘栗やチョコレートのたたき売りの声も交じり合う。
普段でも1日10万人ほどの買物客と観光客でにぎわうが、年末は50万人もの人出、歩くのも大変なほど。芋アメ、米軍放出品街をもとに発展してきたアメ横。今でも闇市時代からの熱気で人を惹きつける。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2016年12月18日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します