漢字一文字で今年の世相を現す「今年の漢字」が「戦」に決まりました▼22万3768票の投票で、一位となる1万804票を獲得して選ばれました。サッカーワールドカップでの日本の活躍や、新型コロナウイルスとの苦闘なども理由の一つでしょうが、やはり大きいのは、今年2月から続くロシアによるウクライナ侵略でしょう。「戦」が今年の漢字になるのは、アメリカ同時多発テロが起きた2001年以来、二度目だといいます▼引き続きコロナ禍に覆われた2022年。ウクライナ侵略の他にも、東京での山添拓氏の勝利と全国での日本共産党の議席後退が入り混じった参院選、日本と世界に衝撃を与えた安倍晋三元首相の銃撃、世界的な物価高の進行、各国で相次いだ気候危機を要因とした多くの命を奪う異常気象など、文字通り怒涛の一年間でした▼そうした激動の一つが、12日の自民・公明両党による安保関連3文書の改定合意です。敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を明記し、日本の安全保障政策を大転換しようというものです▼自公政権は、相手国の基地や中枢施設を攻撃する長距離のミサイルなどの兵器の大量保有を進める狙いです。暮らしを破壊する大軍拡は、地域の緊張を高める「戦」への暴走でしかありません。
〈東京民報2022年12月18日号より〉