フジオフード 年末手当廃止を撤回 飲食店ユニオン スト通告と署名で実現〈2023年1月22日号〉
- 2023/1/20
- 労働・市民
全国に800店舗余の飲食店を展開する飲食店大手の(株)フジオフードシステムで年末の繁忙期にこれまで支給してきた1時間あたり100円の加給を一方的に廃止するとの通告が撤回になり加給を勝ち取ったと12月23日、首都圏青年ユニオンが会見を行いました。
同社は正社員500人と非正規社員6000人を雇用する企業。これまでもコロナ禍による時短営業などによるシフトカットの損失を非正規社員には補償しないなどが横行しており、非正規社員が同ユニオンに加盟していました。
同ユニオンはこれまで加給廃止の無効の他、「制服に着替える時間や移動時間に関する未払い賃金」などに関しても団体交渉を通じて改善を要求。しかし、同社は労働者の求めに背を向け、物価高騰を背景にした賃上げを政府が企業に要望する中でも、加給廃止という実質的賃下げの強行姿勢を崩しませんでした。
同ユニオンはインターネットを通じて事実を知らせ、ウェブ署名を呼びかけるとともにストライキを通告。「今どき時給1120円はひどい」「ストライキすべき」などの応援メッセージとともに、短期間で1万2000人分を超える署名が寄せられました。こうした運動が会社を追いつめ、加給廃止は行わないとする結果につながりました。
会見で同ユニオンの原田仁希副代表は「非正規社員の賃金が全く上がらない。今や雇用の4割を非正規雇用が占めるので対応は急務。非正規春闘などが必要だと実感している」と語りました。
フジオフードシステムはこれまでも労働基準法違反で書類送検されるなどの不祥事を起こしている他、労働基準監督署からの是正勧告に従わないなどの事実が明らかになっています。
東京民報2023年1月22日号より