2020年10月1日、菅義偉前首相は、日本学術会議から新会員として推薦を受けた105人のうち6人の任命を拒否しました。
本書が指摘しているとおり、背景には軍事研究に反対している学術会議を国家に従属する機構にする狙いがあります。
任命拒否は「学問の自由」を侵害し、法治主義を掘り崩す重大問題です。2年が経過しましたが、いまだに問題は解決していません。
岸田首相は、「一連の手続きは終了している」と主張、「学術会議のあり方の見直し」に問題をすり替えています。
本書は、任命拒否された芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明の六人が書いたものです。それぞれの専門分野の立場から、いかに政府による違憲・違法の暴挙なのかを鋭く論理立てるものとなっています。