新型コロナ感染者が日本国内で初めて確認された2020年1月15日から、ちょうど3年を迎えました▼1日あたりの死者数は初めて500人を超えるなど、第8波の感染拡大の波は衰えを知りません。免疫を回避する能力の高い、新たな変異株の流行も心配されており、コロナ禍の収束への道はまだ見えない状況です▼コロナ感染拡大への最初の緊急事態宣言は、20年4月7日に出されました。卒業・入学シーズンに混乱の中で始まった学校の一斉休校、三密回避とステイホーム、補償なき「自粛」要請、マスク不足とアベノマスク、科学を無視した政策決定と医療崩壊…。この3年間で明らかになったのは、暮らしを支え、命を守る政治が、日本において、あまりに貧弱なことでした▼国際NGOオックスファムは16日、コロナ禍の3年間で生み出された世界の富の三分の二が、上位1%の富裕層に集中していると明らかにしました。1日1.5ドル以下で暮らす極度の貧困層も増加しており、超富裕層と極貧困層が並行して増える傾向は過去25年で初だといいます▼オックスファムは、世界の富裕層への課税強化などを訴えています。パンデミックが浮かび上がらせた資本主義と政治の大きな闇は、社会を見直す機会でもあるはずです。
〈東京民報2023年1月22日号より〉