【 #Web東京民報 連載】東京わがまち 46 徳丸の田遊び

(板橋区 徳丸北野神社)

 田遊びは国指定重要無形民俗文化財。毎年2月11日6時から行われる。青竹を四方に立てしめ縄で結んだ「もがり」が舞台。中央に田圃(たんぼ)に見立てた太鼓が置かれ、種まきから収穫まで稲作の作業内容を唱える言葉と所作で豊作を祈願する。田植えでは4人の子どもが早乙女役を演じ、太鼓の上で胴上げされる。

 板橋区の住宅街、徳丸や赤塚地区は昭和30年代まで東京有数の田園地帯。最盛期は区部の人が食べる6~7割の米が作られていた。旧正月に五穀豊穣と子孫繁栄を願い行われてきた田遊び。農村風景は喪失したが、この地と人の千年の営みを今に伝えている。

写真・文 夏目安男

〈東京民報 2017年2月5日号より〉

※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します

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