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- 【書評】歴史の上に託された希望 『てぶくろ ウクライナ民話』 エウゲーニー・M・ラチョフ 絵 うちだりさこ 訳
「おじいさんが もりをあるいていきました。こいぬが あとからついていきました。おじいさんはあるいているうちに、 てぶくろを かたほうおとして、そのままいってしまいました」
絵本『てぶくろ』はウクライナの民話です。そのてぶくろに、ねずみがかけてきて、てぶくろにもぐりこんでいいます。「ここでくらすことにするわ」そして、次々に動物たちがやってきます。
「だれ?てぶくろにすんでいるのは?」
「くいしんぼうねずみよ。あなたは?」「ぴょんぴょんがえるよ。わたしもいれて」「どうぞ」
こんな言葉をくりかえしながら、はやあしうさぎやおしゃれぎつね、はいいろおおかみ、きばもちいのしし、最後は「のっそりぐまだ わたしもいれてくれ」と熊までもがやってきます。「とんでもない まんいんです」「いやどうしてもはいるよ」「しかたがない でもほんのはじっこにしてくださいよ」と受け入れます。